| 第16回:「 新型インフルエンザ騒ぎから、何をまなぶか」by 宇野 |
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| 作者: 宇野賀津子 |
| 2009年 6月 01日(月曜日) 13:25 |
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6月になって、町からマスク姿が急にへったが、5月半ばから大阪にはマスク姿があふれていた。5月20日頃は、通勤時間帯は8割がマスクをしていた。5月17日をすぎると、大阪・京都ではマスクが手に入らなくて、九州支店に頼んで送ってもらったと聞いた。同時期、京都に着くと町中ではその割合は少し減ったが、それでも通勤時は半数以上がマスクをしていたし、通勤電車ではマスクをしましょうと言っていた。5月27日に東京に学会でいったが、東京の方はそれほどでもない。1、2割だろうか。 この間の対策についても議論がある。国会で厚労省職員が検疫をパーフォーマンスと言ったそうである。私自身はこの言い方には多少抵抗もある。少なくとも5月初めの時点では、その毒性もよくわからなかったというのがあるので、これはまあ、しかたないかもしれない。実際連休中にアメリカから帰ってきた友人は、空港で陰性だったが、10日間自宅待機だったらしい。本来水際作戦は、感染の蔓延を遅らす(国際的な流行ではそこで、完全に止められるとは、思っていない。)ための対策で、その間に国内の診療体制を整えるべきものである。その視点がどこまで伝わっていたかである。その後渡航歴のない、感染者が見つかった時点で、大きく対策は方向転換されるべきものである。(でもこの感染者も、診察した通常との違いに医師が疑いをもたなかったら、見過ごされていた可能性が高い。)マスコミは、名前は出てこないが、学校が特定されるような形で詳細に追いかけた。この報道を見ていて、二昔前、エイズ患者が見つかった(長野)、初めて亡くなった(神戸)、などの騒ぎを思い出した。この頃、最初は駒込病院の感染症外来に自分の性行動に不安があるヒトが、列をなしたが、報道が加熱するにつれ、HIV感染の本当にリスクが高いヒトが、来られなくなった経緯がある。
そもそも今回の騒ぎが大きくなったところに、このインフルエンザが新型インフルエンザで、日本の行政が高病原性鳥インフルエンザを想定した2月17日にだした「新型インフルエンザ対策ガイドライン」しかなかったというところにある。5月23日には京都の感染対策に係っている方から、7月に予定している公開講演会も今だったら中止だと、聞いた。不特定多数が集まるかららしい。6月に予定している学術集会(http://www.jsicr74.org/index.html)はときくと、特定の人だから大丈夫だろうとのこと、要するに、行政の判断の基準は、新型インフルエンザであるかぎり、そのマニュアルに沿って動くしか無いらしい。でもそんな危機管理でいいのということになる。今回過剰な対策は、経済的も含めマイナスも多いということで、大阪府知事が国にかみついた経緯もある。この時ばかりは、拍手を送った。危機管理にあって、刻々変わる情勢に対応した現実的な判断は益々要求されるだろう。関東に感染が広がってからは、まあ冷静な対応に移っていったようである。 C型肝炎の治療で使われるインターフェロン1回の投与量1000万単位のインターフェロンを点鼻や経口(トローチタイプ)で投与すれば、1万人に数日提供可能である。副作用もなく、感染予防に有用である。かかっても軽いはずである。インターフェロンの一部研究者は、このようなインターフェロンの使い方を真剣に議論している。 |
