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2012年05月19日
役員挨拶

理事長挨拶

共に考え、提言ができるNPOを目指して

当NPOも、創立2周年を迎えました。そして、3月6日の総会で、新理事の方々を承認いただきました。これまでこの活動を支えてくださった理事の方々で、大学の要職に就かれた方々には、顧問として継続してご支援願うこととし、理事長として、坂東が続投させていただき、副理事長として松田卓也さん、新理事として、舞原俊憲さん、前直弘さんが加わりました(当NPOでは、すべて「さん」づけで名前を呼ぶことになっています)。また、基礎科学研究所の主管として、舞原さんに加えて竹本修三さんにお願いいたしました。いずれ、皆様からご挨拶があると思います。
さっそく、常務理事会と、基礎科学研究所の運営委員会を開き、基礎科学研究所の設立、科学普及活動の継続等、いろいろ実質的な活動を支えていくことを目標に、会員とのネットワークを広げていきたいと思います。

まず、ご報告いたしたいのは、当NPOは、この4月から、京都大学VBL(ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)に入居することとなりました。私宅から公的な住所への変更は、当NPOが公的な性格の組織として活動するための重要な布石となります。
この入居を機に、基礎科学研究所の開所記念セミナーを開き、さまざまな分野の学問交流をできるところから活動を開始することになります。基礎科学研究所が、身分の不安定なポスドク等をふくめて、定年退官後のシニアな研究者が、インターディシプリンな学問領域で威力を発揮できる場になれるよう願っています。また、現在科学研究費補助金などを取得できる機関として資格を取得できるようにと、その準備も進めています。
もう一つの基礎科学研究所の存在意義は、若い方々の交流の場、訓練の場を充実させることです。その1つは、ここでもまれたポスドクが、いろいろな分野で力をつけることです。別途、副理事長の構想が基礎科学研究所の「セミナー構想」などとして、具体的な内容が紹介されると思いますが、副理事長のこの1年の若手学生・院生に与えた影響は大きいものがあります。これを進めて、学生たちとのセミナー計画も進められています。こうした活動が、若手とシニアを結ぶ学問的な突破口になると期待しています。
私たちの願いは、個別科学の進展の上に、より多くの知的人材が、私たちのネットワークを通じて交流し、領域横断的な話題を語り合える「サロン」になりたいということです。興味をもたれた方々、どうぞご遠慮なく、私たちのいる「交流の場」を訪問してください。

次に科学普及活動を、京都大学内にある様々な組織、なかんずく理学部や基礎物理学研究所、高等教育研究センターなどと連携し、サイエンスネットワークやサイエンスクラブ、科学カフェ京都をはじめとするNPOと協働して、普及活動、科学教育の将来を見据えた活動を持続的に行いたいと考えています。
昨年は、「親子理科実験教室」を、総計11回にわたって行いました。今年も、すでに活動を開始しています。さらに、小学校の理数教育に資するため、先生方が活用できるような教材づくりも進めています。すでに、モジュール型教材を30近く完成し、当HPで紹介しております。ご覧になって、ぜひとも要望コメントをお寄せくださるようお願いいたします。

ポスドクを中心としたキャリア支援については、これからも、京都大学内にあるキャリア支援センターや、京都府が立ち上げているJOBパークなどと協力して、さらに広い領域での知的人材の活用についての協力関係を進めるとともに、国際的な連携も図る方向を目指しています。
ポスドクキャリア拡大の一環として取り組んできた物理学会の科学教育方面への人材活用の取り組みでは「知ることの喜びを知っているからこそ教えられるものがある」というスローガンで、シンポジウムや研究会に取り組んできました。さらに私たちは、現役の教員が、科学を自ら楽しみ、さらに深く追求できる仕組みがあれば、もっとゆたかな科学教育ができると考えています。また、基礎科学と応用科学が豊かに結びつき、いわゆる「ダーウィンの海」を乗り越える為には、科学史と共に日本の技術史も、もっと語られないといけないと思っています。
ものづくりのわくわく感をもっとじかに伝えられる普及活動の必要性を感じています。

当NPOの活動に中に、女性のネットワークを広げる活動もあります。
女性研究者のネットワークは、今おおきく広がりつつあり、全国的にも、女性研究者支援の施策が動いているのはご存じのとおりです。さらに、私は、これからの社会で、女性の知恵がもっと生かされ、女性の愛と情熱が社会を動かすことができると確信しています。
当NPOでも、女性グループの集まりがありました。まだ、始動の段階ですが、当NPOには、定年後に再び大学院で勉強を始め、NPO論のレポートを書かれた会員もおられます。子供を守る会で活躍している女性、保育所運動で頑張っている人、いろいろな人材がいます。「母性文化」のもつ特性を知的人材活用と結びつけることによって、さらに豊かな社会を築くエネルギーになるでしょう。これからネットワークが広がっていくのでは、と期待しています。

まだまだ、いろいろと思いはありますが、副理事長の松田さんに言わせると「理事長は、いろいろとアイデアを沢山持っているが、それを実行するのは大変だ。現実的な方針を地道にやっていくには、あまり大風呂敷を広げない方がいい」と言われています。思いや熱意だけでなく、それを支える力をお貸しいただくようにお願いいたします。

NPO法人あいんしゅたいん理事長 坂東昌子

副理事長挨拶

今回の総会において副理事長を拝命いたしました松田です。今までの2年間は理事として親子理科実験教室、基礎科学研究所の発足などの仕事をして参りました。

あいんしゅたいんは元々、理事長のポスドク支援活動の延長として設立されたという経緯があります。設立1年目は理事長宅を事務所として細々と活動を続けて参りました。私はポスドク支援と同時に、自分を含めて、まだやる気のある定年退職研究者のための組織であるバーチャル研究所を作りたいと考えていましたが、場所的、資金的な問題から実現には至りませんでした。

しかし2010年度にはあいんしゅたいんに大きな進展がありました。そのひとつは、理事長と鈴木理事のご努力で2010年1月から1年間、京都府の助成金を得ることができたことです。もうひとつは高等教育研究開発推進センターの小山田教授と共同研究をすることとなり、情報メディアセンター北館地下の可視化実験室をお借りすることができたことです。活動の場所を確保できたことは、あいんしゅたいんの活動にとって非常に大きいと思います。

当NPO法人は正式名称を知的人材ネットワークといいます。実際、地下の可視化実験室には、外国人を含む多くの知的人材が訪れてくださいました。そして様々な問題について議論しました。西欧にはサロン文化というものがあります。サロンは知的・文化的な人材が集まり、様々な問題を議論する場所です。実際、アインシュタインもチューリッヒのサロンで音楽を奏でながら、さまざまな人材と知的交流をしました。私はこのサロン文化を、ここ京都に根付かせたいと思っています。

京都府の助成金を利用して行った活動が、親子理科実験教室です。理学部とサイエンスEネットのご協力により、11回の教室を開催することができました。幸いなことに、この教室は参加者の皆さまから高い評価をいただきました。またその教室の様子をビデオ撮影して、電子教材を作成し、YouTubeにアップすることにしました。こうして我々の活動を社会に還元していきたいと思います。2011年度からは助成金がなくなりますが、何とか親子理科実験教室を継続していきたいと思います。

あいんしゅたいんは4月から正式な住所をベンチャービジネス・ラボに置くことになり、これを契機に、基礎科学研究所も正式に発足します。そこでは様々な活動を計画しています。たとえば小山田先生とタイアップして、京都大学の新1年生をリクルートして、コンピューターシミュレーションの塾のようなものを開きたいと計画しています。

NPO法人「あいんしゅたいん」も3年目を迎えたわけですが、多くのNPO法人は3年で消滅するといわれています。われわれもそうならないように、がんばりたいと思います。

NPO法人あいんしゅたいん副理事長 松田卓也