研究所紹介  

   

活動  

   

情報発信  

   

あいんしゅたいんページ  

   

フェルミパラドックス

詳細

今回のテーマは、「フェルミパラドックス」である。この広大な宇宙には、我々人類以上に高度な文明を持った知的生命体つまり宇宙人は存在するのだろうか? 天文学者は生命が存在する可能性を持つ惑星を近年、次々と発見している。それでは宇宙には高度な文明を持った宇宙人はいるのだろうか。世界各地で宇宙人やUFOの目撃情報があったりするが、科学者の多くはUFO宇宙人説、つまりUFOが宇宙人の乗り物であるという説を信じていない。だから宇宙人は地球に来たとは思っていない。問題はなぜ来ていないのか?ということだ。これをフェルミパラドックスという。パラドックスは謎とか矛盾という意味だ。

エンリコ・フェルミとフェルミパラドックス

フェルミはイタリア生まれの原子核物理学者で、原子炉を始めて作ったことで有名だ。ノーベル物理学賞を受賞した。フェルミはこう考えた。宇宙には地球以外に生命がいないはずはない。また人間のような知的生命体もいないはずはない。さらには人類文明のような高度な科学技術文明もないはずはない。だとすると、どうして宇宙人は地球に来ていないのだろうか?「彼らはどこにいるのだ?」これがフェルミパラドックスだ。

ドレイクの方程式

それでは宇宙文明はあるのだろうか?ドレイクの方程式はアメリカの天文学者フランク・ドレイクが1961年に提案した方程式で、宇宙にどのくらいの数の地球外文明が存在するかを推定する方程式である。それは銀河系の中で1年当たり誕生する星の数、その星が惑星を持つ確率、その惑星に生命が存在可能である確率、実際に生命が発生した確率、その生命が知的生命体になる確率、その知的生命が惑星間通信をする確率、通信できる状態にある期間、つまり技術文明の存続期間をかけたものである。

これらに適当な値を代入すると、この銀河に現在、宇宙文明が存在して、通信可能である惑星の数は10くらいとなる。ただしこれは技術文明の存続期間が1万年とした場合の値である。この値がもっとも不確かで、文明の存続期間が千年とすると、通信可能な宇宙文明の数は1個、100年とすると0.1個となる。だから宇宙文明と通信できないということは、技術文明の存続期間はせいぜい数百年なのかもしれない。

いろんな仮説

まずは、もっともありそうにもない説からあげる。宇宙人はすでに地球に来ているが政府が隠している。エリア81に宇宙人の死体が隠してあるといった陰謀論者に人気のある説だ。でも私は信じない。宇宙人は来ているが他の生物や人間にまぎれて分からないという説もある。次も人気のある説だが、宇宙人は過去に来ていて多くの痕跡を残している。ナスカの地上絵などはその例だという。私はこの説も信じない。

宇宙人は来ていてもまだ原始的な地球人との接触を避けるという説もある。映画「スタートレック」では地球人が、原始的な宇宙人との接触を控えるという話があった。地球を大きな人間動物園にして観察しているという説もある。

別の意味でありそうにない説として、地球以外には科学技術文明はない、あるいは地球人が一番進んでいて、二番はまだ人間のレベルに達していないという説だ。実はレイ・カーツワイルはこの説を信じていたりする。

科学的に見てもっとありそうな説は、技術文明は発達すると核戦争、環境汚染、小惑星衝突その他の災害で、数百年で必ず滅びるという考えもある。

ネトゲ廃人説

私の説を述べよう。科学技術文明は発達するといずれシンギュラリティにたっする。シンギュラリティに達した宇宙人は、後の記事で説明するように、シミュレーション世界、つまり仮想の世界を構築して、その中に引きこもり楽しく過ごすかもしれない。なにもあらあらしい宇宙に出て行く必要はない。私はこれを宇宙人の引きこもり説、ネトゲ廃人説をよびたい。未来の理想世界はリア充ではなく、ゲーム世界の中にあるのかもしれない。

   
© NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん (JEin). All Rights Reserved