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サロン・ド・科学の探索 第13回

日 時:2015年11月29日(日) 14:00~17:00

場 所:NPO法人あいんしゅたいん事務所(京都市左京区吉田本町 5-14)

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テーマ:あいんしゅたいんと湯川精神・・・欧州放射線影響フォーラムに参加して

トーク:坂東昌子〔NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)

  坂東昌子の紹介はこちらをご覧いただきたいのですが、1つ間違いがあります。1937年生まれですが、生まれたのは山形ではなく大阪土佐堀というところです。
ネクタイの卸問屋の娘です。昔はクリスマス・お正月といえばネクタイを新調したし、プレゼントにネクタイをという人も多く大忙しでしたが、だんだんネクタイをする人は少なくなってしまい、なんだかネッカチーフとかアクセサリーとかいろいろなものを手がけていたように思います。
よかったらブログもご覧ください。
  
話 題: 私は、もともと素粒子論の研究者ですが、京大湯川研の助手をしていた頃から、女性研究者のアンケートによる大規模な実態調査を、科学研究費領域で、女性研究者の実態調査に加わり、科学界では、初めての実態調査をいたしました。1080年代でした。こうして統計を使った分析に挑戦、統計の持つ威力を知りました。データできちんと示せば、行政も動いてくれることを実感したのです。そしてその後は、ポスドクの実態調査なども手がけてきました。
一方、愛知大学に移ってからは、テーマ選びも自由になったこともあり、交通流理論、経済物理学など、新しい分野に挑戦することができました。別に京都大学ではそういうことはできないというわけではありませんが、大学院生もいる研究室では、若手に論文を書く訓練も必要だし、専門分野でがんばらないと生きていけません。ですので、素粒子の業績を出しつつ他分野に挑戦するのは、特に子育て半ばの身にはなかなか至難の業だったのです。
さて、これらのいろいろな経験は、定年退官後、京都大学理学部で同級生になった佐藤文隆さんと語らって、2人合わせて140歳のときに、NPOあいんしゅたいんをたちあげ、定年後も自分たちが役立つなら何でもやろうと、ポスドク支援活動、教育普及活動、そしてやっぱり新しい分野にも挑戦して研究活動をやっていこうと、NPOの付置機関である「基礎科学研究所」を立ち上げて、サロンなどを企画して楽しんでいます。
特に、2011年3月11日の福島原発事故をきっかけに、今度は生物分野にも挑戦するようになり、いろいろと湯川先生が考えてこられたことのすごさを改めて痛感している次第です。湯川先生は「科学の全景」を視野に入れ、決して狭い分野のみにとどまらず、多くの若者に未踏の地に分け入り、新しい分野に挑戦するよう励ましてこられました。
今回の事故をきっかけにして、放射線の生体影響の研究を始めた私にとって、あまりにも、生体影響に対する科学者間の鋭い意見対立があることに驚きを禁じえませんでした。そしてその対立が、今度は、市民に与えた混乱を見るにつけ、ここでもう一度、湯川精神を振り返り、日本の中で放射線の影響をしっかり科学として見つめなおし、科学者間ですり合わせることが必要と感じるようになりました。このような思いは、私なりに湯川精神を受け継いだ科学者の生き方の選択です。若い人たちにも、科学者のあり方の1つの例として、参考にしていただければと思います。
この度、11月9日~11月11日、ミュンヘンにて、第7回国際 MELODI ワークショップが開催されます。そのテーマは「次世代の放射線防護研究(Next Generation Radiation Protection Research)」です。志を同じくする眞鍋・和田さんと参加し、発表(ぽスター発表ですが)してくるつもりです。この報告もかねて11月のサロンといたします。

定 員:12名程度

申 込:「サロン・ド・科学の探索」総合ページをご覧の上、参加申込フォームよりお申込みください
    ● 申込方法が分からない場合は、直接下記連絡先へお電話ください
      TEL: 075-762-1522(平日10時~17時)
    ● サロン参加経験者の方は、下記を明記の上、直接メールいただいても結構です。
       ● 氏名
       ● 希望参加回
     メール送付先:secretariat[at]jein.jp ※ [at]を@に変更してください

備 考:クッキーとお茶代として500円をいただきます。ご協力お願いします。

   
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