LDMセミナー - NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar.html Sun, 28 Apr 2024 05:13:48 +0900 Joomla! - Open Source Content Management ja-jp LDMセミナー>ホールボディ検査する被災者6名とLDMの合同勉強会 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/418-detail-121116.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/418-detail-121116.html

日  時:2012年11月16日(金) 10:30~12:30
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「ホールボディ検査する被災者6名とLDMの合同勉強会」


11月30日のWBCによる検査に先立って、高橋先生からの情報を元にWBC検査について以下のような疑問について勉強します。

● WBCで測れるのは?
● 内部被曝とは?
● WBCの機種によるちがい
● 検査結果の見方(京大原子炉のサンプルについて)
● 誤差とはなにか

今回、すべての疑問について答えようとするのではなく、疑問を出しながら何を調べればいいのか相談し、目標を定めたいと思います。

参考資料(10月31日の準備会で集まったときの土田さんの報告抜粋)

WBCで測れるのは、γ線である。(α線とβ線は、測れない。)
対象となる放射性核種は、K40・Cs134、Cs137、I131である(Sr90とC14は、β線のみの放出なので測れない)。
検査時点で体内にある放射性核種からのγ線を測っているので、計測された放射性核種の摂取時期が確定できないと被曝量の推定はできない。計測されたγ線の値が同じでも1回摂取と継続摂取では、被曝量は異なる。
I131のように物理学的半減期の短いものは、摂取から短期間で放射線を放出してしまうので、摂取から数か月経過すると計測できない。
生物学的半減期が短いということは、体内に蓄積されずに徐々に体外に排出される。
WBCの機種によって、検出限界、結果の表示形式は異なる。

>予備討論

WBCで測れるのは、γ線である。(α線とβ線は、測れない。)
対象となる放射性核種は、K40・Cs134、Cs137、I131である(Sr90とC14は、β線のみの放出なので測れない)。
検査時点で体内にある放射性核種からのγ線を測っているので、計測された放射性核種の摂取時期が確定できないと被曝量の推定はできない。計測されたγ線の値が同じでも1回摂取と継続摂取では、被曝量は異なる。
I131のように物理学的半減期の短いものは摂取から短期間で放射線を放出してしまうので、摂取から数か月経過すると計測できない。
生物学的半減期が短いということは、体内に蓄積されずに徐々に体外に排出される。
WBCの機種によって、検出限界、結果の表示形式は異なる。

>検査結果の見方(京大原子炉のサンプルについて)

エネルギースペクトラムのグラフについて
ファントムなしのバックグラウンドのグラフは、入手できるだろうか?
色分けされた部分は、特定の核種に対応する。(核種ごとにγ線のエネルギーは決まっている。)例えば横軸1390~1540の黄色の部分は、K40のカウント数を表している。コンプトン効果も含んでいる。ボールがあちこちぶつかっているイメージ。
Cs134・137が体内に全く含まれていない場合でもグラフは0にはならない。バックグラウンドと比べて判断する。
「ヒューマンカウンタ測定結果」の表について
測定結果のBqの値と計算式の右側に点線内の誤差計算のところだけ見れば、十分。この人(ファントム測定?)の場合、Cs137は、661. 1±500Bqとなる。誤差範囲が±500とは、大きすぎるように感じるが、3シグマにするとこうなる。661という中央値に意味がある。検知器ではすべてのγ線をキャッチすることはできない、コンプトン効果もある、γ線の放出が時間的に等間隔でない、測定時間が10分などの理由により、誤差はこの程度になる。
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LDMセミナー Wed, 07 Nov 2012 03:43:40 +0900
LDMセミナー>エネルギー問題意見交換会 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/417-detail-121109.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/417-detail-121109.html

日  時:2012年11月9日(金) 9:00~12:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「エネルギー問題の意見交換会」
話題提供: 金氏顯 氏(北九州イノベーションギャラリー(KIGS)館長)


8月の基礎物理学研究会以後、いろいろな資料を送ってくださっている金氏氏の上洛の機会にお立ち寄りくださることとなりました。
中井浩二氏とも、以前から物理学者としても今後のエネルギー問題に対する考えをもっと詰めておくべきだという意見交換を行っていました。

エネルギー問題は、私どもにとっても、来たる11月18日に日本物理学会京都支部との共催で開かれるシンポジウムの課題でもあります。この機会に、私たちも勉強が必要だと思っていました。
放射線の影響は純科学的検討が主に必要だったのですが、エネルギー問題はそれでは閉じず、経済的諸問題、社会問題を含めて検討が必要で、物理学や生物学だけで閉じません。この夏の基研の研究会でも、あまりに大きな問題であることでもあり、テーマとしては取り上げられませんでした。
しかし、今後の日本を考えるうえで、欠かすことのできない重要問題です。巨大科学の在り方と連動させて考えようというのが上記シンポジウムです。

そんなことで、金氏さんとのお話もエネルギー問題への様々な問題点を意見交換するいい機会です。

なお、来る11月1日には、次世代原子炉はどうあるべきか、という視点を踏まえて「高温ガス炉をめぐって」のシンポジウムがあります。
坂東は、東京で問題提起をすることになっています。この報告も踏まえて、しっかり議論していきたいと思います。

金氏氏からは、「11月9日は午後に瀬田の龍谷大学に松重先生を訪ねることにしました。そこで、午前中9時ごろから12時まで、秘密基地である可視化実験室を訪問したいと思います」というお便りがきました。

この秘密基地も、来年1月で耐震工事のため出ていかざるを得なくなり、長らく小山田先生との共同研究、独自のNPOの研究会など、多くの企画を実行してきま
したが、いよいよこの基地を後にすることになりました。
沢山の成果を出させていただいた共同研究の場でした。名残惜しい場所です。金氏氏も、とてもよく来てくださったお一人です。今のうちにぜひおこしくださり、大いに議論をたたかわせたいと願っています。

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LDMセミナー Wed, 31 Oct 2012 03:59:49 +0900
LDMセミナー>原発の廃棄物問題について https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/416-detail-121014.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/416-detail-121014.html

日  時:2012年11月3日(土) 16:00~17:30
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「原発の廃棄物問題について」
話題提供:眞鍋勇一郎(大阪大学大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻 助教)


3・11原発事故で、最も顕に国民の目に内情が明らかになったのは、核廃棄物の問題ではなかろうか。今回は、将来のエネルギー問題を考えるにさして、現在の原発の評価を数値も含めて問題点とその将来性を精査する必要がある。なかでももっとも深刻なのは、核廃棄物の処理である。
日本の現状。世界の動向を踏まえ解説していただきます。

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LDMセミナー Mon, 01 Oct 2012 22:22:26 +0900
LDMセミナー>ホールボディカウンターの測定をめぐって https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/415-detail-121031.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/415-detail-121031.html

日  時:2012年10月31日(水) 13:30~
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「ホールボディカウンターの測定をめぐって ー 避難者との合同勉強会」


ご存じのように、京都大学が、「研究用の検査」ということで、福島からの避難者の方々10名程度を京都大学原子炉実験所にあるホールボディカウンターで測定するという話が実現しました。そこで、当面ホールボディカウンター(WBC)についての勉強会を行い、検査の前に予備知識を蓄えておこうということになりました。そのための勉強会です。

問題提起:伊藤・菅野
サポート役:艸場・土田
アドバイザー:一瀬

これから、一瀬さんからご紹介のあった資料を分担して勉強することになりますが、その相談もします。
知りたい事の要点は、WBC(あるいは甲状腺検査)で被爆状態の過去、現在・未来がどれだけわかるか。被爆によるリスクが過去・現在・未来についてどれだけわかるかということを明確にしたいというものです。
さらに言えば、もし測定器で検出されなかった時の(おそらくそういうケースがほとんどと思われますが上記の情報についてどれだけのことが言えるのかを、これまでの知見に基づえるか、しっかりと理解することと思われます。
伊藤さんたちの疑問や心配などを率直に出していただき、それを、データに基づいて理解する方向で勉強をしたいと思います。

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LDMセミナー Mon, 29 Oct 2012 03:37:31 +0900
LDMセミナー>高温がス炉の特徴と将来性・・安全性と廃棄物問題を中心に https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/414-detail-121003.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/414-detail-121003.html

日  時:2012年10月3日(水) 15:00~16:30
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「高温がス炉の特徴と将来性・・安全性と廃棄物問題を中心に」
話題提供:國富一彦先生(日本原子力研究開発機構原子力水素・熱利用研究センター研究主席)


現在の原子炉の安全性・廃棄物問題など、様々な面から今回の事故を通じて厳しい評価がなされています。その中で、より安全で廃棄物問題もある程度クリアした原子力発電の可能性として、高温ガス炉やトリウム原子炉が今、着々と進歩しているようです。

今回は、この高温ガス炉について国富先生にお話しいただき、より突っ込んだ議論ができればと思います。

國富一彦先生は、さる8月8日から開かれた「原子力:生物学と物理」の第1日目に講演されています。(國富一彦先生の講演概要はこちら 研究会報告はこちら

市民から学生まで、興味のある方はおいでください。私たちも、11月にはエネルギー問題で物理学会支部と共催で講演会を開くことになっています。ここではどちらかというと社会的な問題に焦点を当てることにします。

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LDMセミナー Sun, 30 Sep 2012 22:09:45 +0900
LDMセミナー>今後の方針討論 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/413-detail-120928.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/413-detail-120928.html

日  時:2012年9月28日(金) 13:00~15:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「今後の方針 エネルギー問題に向けて」
     「避難者の会合報告」
話題提供:坂東・土田・艸場


この日のテーマですが、これからどのようにセミナーを行っていくかを相談します。

この11月18日には、物理学会京都支部と共催でエネルギー問題の講演会を行います。今までいろいろ勉強してきたことを基にして、少し整理して、講演者である澤・長谷川両氏に疑問をぶつけ、事前討論をしておきたいと思っています。それと、間もなく新しいプロジェクトが立ち上がる可能性があるので、低線量検討会のみなさんとの勉強会を、今後どうしていくか相談します。次の「大人の科学教室」の相談もします。
この間セミナーは中断していたのではなく、「大人の科学教室」のために何度か相談会をやったり、福島から避難された方々に低線量放射線の影響について説まいし懇談する会に、艸場・土田・一瀬・坂東の4人で宇治市役所福祉会館に出かけていろいろと新しい現実にも出くわしました。この時思ったのは、科学者のデータに基づいた説明(これは一瀬さんがしっかり押さえてくださり素晴らしい資料集を作ってくださいましたが、それを説明いただき、それに加えて、艸場・土田のお二人の市民の目線での説得力のあるお話が大変よかったです。

一瀬さんのリサーチ力のは、前々から敬服していたのですが、艸場・土田、このお二人を見ていると、よく勉強され、肝心なところを抑え、しかも市民の目線からお話されるので感銘を受けました。いつの間に、こんなに幅広く、そして深く理解されていたのか熱意と愛にささえられた蓄積というものは、素晴らしい宝物なのだなと思いました。
福島からの避難者を組織されているリーダー、伊藤早苗さんも、はじめてこの可視化実験室を訪問されたときには放射線の基礎知識もお持ちでなく、「毎日、私の体の中で悪魔が大きくなっている夢を見る」というようなことをおっしゃっていましたが、見違えるようにたくましくなられ、皆さんを支えて「勉強しないといけませんね」と説得されています。
こうしてたくさんの方々が、グングン成長していかれるのは、私は感心しているばかりです。先日の会合の時、避難者の1人が「そういえば、福島事故以後、今まで癌患者だったひとが、元気になられたという話が結構あありますが?」といわれたので、私は、最近論文にした放射線の生体リスクモデル(この研究会から生まれたのでLDMモデルと名付けました)で、計算すると分かるのですが、放射線は、正常細胞もやっつけますが、がん細胞もやっつけます。ピエール・キュリー(マリー・キュリーの夫)は、このことにいち早く気が付き、がん治療に放射線が使えることを提案し、積極的に働きかえたのです。そして自ら、ラジウムを自分の腕に張り付けて(今だったら違反行為です。びっくりです。ラジウムは厳密に管理されていますからね)て、実験したくらいです。(ちなみに、ラジウム1グラムの放射能力は1キュリーです。これって360億ベクレルですよ!今、大騒ぎしているのでは1Kgの食品が、10ベクレルを超えたかどうかなとど言っているのと比べると、目を回すでしょ?)実験したんだそうです。
この日は、間浦くんが故郷でとれた梨をいただいているので、みんなで食べます。(別途、「大人の科学実験教室」のときに、水野君(京大医学部2年)がお土産を持ってきてくださいました。本当はこれもセミナーまで置いておいてもよかったのですが、実験教室の後片付けを手伝ってくださった皆さんに、おすそ分けしてしまいました。水野君、ありがとうございました。)

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LDMセミナー Thu, 27 Sep 2012 01:07:13 +0900
LDMセミナー>福島の方々の疑問に答える準備と広島の残留放射線の謎を解く https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/412-detail-120907.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/412-detail-120907.html

日  時:2012年9月7日(金) 13:00~15:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「福島の避難の方々の質問に答えて」
     「広島の残留放射線の謎を考える1つの計算」
話題提供:一瀬・艸場・土田
     水野


9月15日に、避難者の皆さんの会合に行きます。その前に皆さんの疑問を整理し、私たちの方でお答えを準備したいと思います。
長年懸案の広島原爆残留放射線の謎を解くことになるのではと予感させる新しい試みです。水野さん、出来たところまでとりあえず、説明を気楽にしてください。

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LDMセミナー Sun, 02 Sep 2012 20:50:44 +0900
LDMセミナー>低線量放射線の評価とLNT https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/411-detail-120830.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/411-detail-120830.html

日  時:2012年8月30日(木) 13:00~16:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ:低線量放射線の評価とLNT
話題提供:佐治愿
備  考:研究会での発表の打ち合わせと単位表の最終会


基礎物理学研究所の研究会を終えて、その後、いろいろな議論をしています。
この間、データ集の議論などもしてきましたが、インフォーマルな集まりになっていました。そこで、久しぶりにセミナーの再開です。佐治さんから多くの情報が送られてきて、一度LNTについての評価をもっと明確にするための勉強会をしなければということになりました。
佐治さんから問題提起をしていただき、議論をしたいと思います。

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LDMセミナー Tue, 21 Aug 2012 21:01:59 +0900
LDMセミナー>単位表会議(発表準備) https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/410-detail-120802.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/410-detail-120802.html

日  時:2012年8月2日(木) 13:00~17:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ:放射線教育をめぐって
話題提供:間浦幹浩(京大理学部2回生)
備  考:研究会での発表の打ち合わせと単位表の最終会


間浦君は、8月8日から10日に開かれる基礎物理学研究所の研究会で放射線教育のセッションで発表の予定です。その原案をみんなで検討します。ついでに、間浦君が中心になって読み合わせをするANS(アメリカ原子力学会)のレポートの検討の相談もします。
とにかく、テストが済んだら動き出してくれると思います。若い学生の皆さん、新しい方もどうぞ。

 

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LDMセミナー Thu, 19 Jul 2012 21:48:59 +0900
LDMセミナー>放射線のデータ検討会 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/409-detail-120726.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/409-detail-120726.html

日  時:2012年7月26日(木) 16:30~18:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ:放射線教育をめぐって
話題提供:瀬々将吏(秋田県立横手清陵学院高等学校 教諭)


瀬瀬さんは、素粒子論研究者で博士の教員募集という秋田の先進的な取り組みに応じて高校の教員になられた方です。放射線教育について実践しておられ、8月8日から10日に開かれる基礎物理学研究所の研究会で放射線教育のセッションでもお話されます。
京都においでの機会に、意見交換の機会を持ちたいと思います。瀬瀬さんを囲んで忌憚のない意見交換を行いたいと思います。

 

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LDMセミナー Thu, 19 Jul 2012 21:40:59 +0900
LDMセミナー>放射線のデータ検討会 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/408-detail-120721.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/408-detail-120721.html

日  時:2012年7月21日(日) 14:00~17:30
場  所:可視化実験室
テ ー マ:広島・長崎⇔チェルノブイリ⇔福島の比較検討
話題提供:一瀬昌嗣・坂東昌子


広島・長崎⇔チェルノブイリ⇔福島 という連関を重視しながら、これまでのデータの検討と問題点を明らかにすることを心がけます。今までに読んだ知識を出し合い、できるだけ効率的に全体像を把握します。 論文紹介は、一瀬・坂東が行います。

1)沢田論文の検討(一瀬紹介)

最近、長く学術誌にリジェクトされていた論文が、社会医学研究.第29 巻1 号.Bulletin of Social Medicine, Vol.29(1)2011に掲載されたそうです。また、チェルノブイリの清涼調査についての今中論文も検討します。このお二人は8月8日~10日の研究会で、議論をたたかわせたかったのですが、お二人とも事情で来れないということなので、代わりにLDMで検討し、メールでの意見交換を事前に行って、補いたいという計画を立てています。

2)ANSレポートの概要

ANS(アメリカ原子力学会)の膨大なレポートを佐治さんからご紹介いただきました。6月の学会で、特別セッションをもうけて会長自ら組織したものです。佐治さんから送られてきた情報を紹介します。

先日ご紹介した ANS President's Special Sessionのレポートは、これから福島原発事故の放射線影響を考える上で、必読の論文集だと思います。敗戦国日本が知らなかったLNTを巡る長い歴史と科学者の格闘の基本的な背景がよく解ります。これまでに蓄積された多くの実験事実を見ますと、福島原発の避難自体が不要であったし、避難指示は直ちに解除すべきものと云う事になります。ICRPの存在意義も疑われています。ダウンロードのURLを下にペースとしておきます。ご参考までに。

The 200-page report from the ANS President's Special Session is now on the Internet. The 54 MB download takes time!
The URL to Jerry Cuttler's ANS President's Special Session presentation is now on Rod Adams' site:

佐治 愿

この膨大なレポートは,丁寧に参考文献も挙げられており、すぐには全部を読むことはできません、しかし、概要をみると、「ほんまかな」と半信半疑な部分がたくさん出てきそうです。ICRPのLNT仮説も批判しています。大雑把に何を言っているか概要だけでも、一度話し合ってみましょう。ざっと読んでみると、あまりの断固とした言い方にカルチャーショックを受けています。概要を当日坂東が紹介します。
今日間浦くんに話したら、学生班が中心になって「夏休みに読み切るセミナーを人を集めてやりましょう」と言ってくれました。膨大なレポートですが、結構読みやすいので、英語論文を読む最初のものとしては、結構、訓練にもなります。学生班が中心にチューターをやりながら、セミナーを計画したいと思います。学生の方で参加したい方は、ぜひお集まりください。(坂東より)

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LDMセミナー Thu, 19 Jul 2012 21:31:35 +0900
LDMセミナー>放射線のデータ検討会 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/407-detail-120708.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/407-detail-120708.html

日  時:2012年7月8日(日) 10:30~12:30
場  所:可視化実験室
テ ー マ:放射線のデータ検討会
話題提供:佐治愿(Ex-Secretariat of Nuclear Safety Commission)
備  考:当日は日本語で行います


Fukushima Nuclear Disaster: Nature’s Revelation of Vulnerabilities in Nuclear Science and Technology

The accident at the Fukushima Dai-ichi nuclear power station in Japan is one of the most serious in operating history for commercial nuclear power plants. The tsunami, which arrived at 15:37 on March 11, brought the plants into an unprecedented severe accident state of “loss of ultimate heat sink”, followed with “SBO (station blackout)”, combined with and further aggravated through “loss of instrumentation and control power.” By losing all measures to control the troubled reactors, a series of hydrogen explosion and environmental release events followed during the active phase of ten days.  In this seminar, the speaker will try to characterize and assess the disaster from scientific and technological viewpoints, based on author’s findings in the Chernobyl- and TMI studies, since there are many unknowns in the accident sequence.
The symposium will cover (1) Scientific facts, causes and evolution of the disaster; (2) Environmental release and health effects of radioactivity; (3) Removal of radioactive species by water treatment; and (4) Decontamination and Decommissioning.

上記の「(2) Environmental release and health effects of radioactivity」および関連事項の「Emerging New Paradigms for Understanding Effects of Low Level Radiation」について当日は話していただき、議論したいと思います。

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LDMセミナー Wed, 20 Jun 2012 02:36:22 +0900
LDMセミナー>放射線のデータ検討会 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/406-detail-120623.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/406-detail-120623.html

日  時:2012年6月23日(土) 10:00~12:30
場  所:可視化実験室
テ ー マ:放射線のデータ検討会
話題提供:艸場・廣田・坂東


みなにわかる放射線の生体リスクのデータ収集を始めています。
 ・疫学的研究
 ・生物実験
 ・生物物理的実験
などのデータで、注目すべきものを検討し、収集します。

みなさんのご助言、ご批判を聞かせていただければ幸いです。

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LDMセミナー Wed, 20 Jun 2012 02:28:50 +0900
LDMセミナー>単位表会議 最終チェック https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/405-detail-120615.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/405-detail-120615.html

日  時:2012年6月15日(金) 16:30~18:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ:単位表会議 最終チェック


単位表会議はに可視化実験室で行います。
6月2日に修正できなかった部分を修正した後、第2版を完成させて印刷作業までしてしまうので、 第2版が出る前に物申したい方はご参加よろしくお願いします。メーリスなどでもご意見受け付けていますのでどしどしお願いします。
今日の意見を基に修正したものは14日(木)までにLDMにアップします。 (杉野綾子)

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LDMセミナー Tue, 05 Jun 2012 01:26:18 +0900
LDMセミナー>医療と放射線 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/404-detail-120609.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/404-detail-120609.html

日  時:2012年6月9日(土) 10:30~
場  所:可視化実験室
テ ー マ:医療と放射線  中山昌彦(京都中央診療所・兵庫青野原病院)


中山昌彦先生は京都府立医科大学出身(昭和38年卒)で、長らく京都第一赤十字病院呼吸器科で肺癌を始めとして、呼吸器疾患の患者治療にあたってこられました。今回は、医療の現場で診断や治療に使われている放射線についてご紹介していただきます。また、医師という立場から発癌や放射能のリスク、避難に対する考え方なども、伺えるものと思います。

{slide=中山放射線資料}

低線量放射線の評価・・医者の立場から    中山昌彦

京都中央診療所 内科
兵庫青野原病院 内科

福島原発事故以来、放射能汚染が大問題になっています。年間100ミリシーベルト以下の低線量での発癌リスクや遺伝子の突然変異は皆無ではありませんが、放射線以外の原因による疾病や死亡のリスクに比べると非常に小さいもので問題視する必要性はありません。広島、長崎およびチェルノブイリでも100ミリシーベルト以下での有害作用は証明されていません。白血球の減少をもたらす急性被曝線量は250ミリシーベルト、半数の人が死亡する急性全身被曝線量は3~5シーベルトとされています。医療の世界では放射線は広く使われています。胃レントゲン4ミリシーベルト、CT検査は7~20ミリシーベルト、透視下で行われるカテーテル検査や治療では500~1000ミリシーベルトになることもあります。骨髄移植の前の全身照射では12シーベルト(12000ミリシーベルト)で骨髄の細胞はいったんすべて死滅します。しかし骨髄移植をすれば元に戻ります。骨髄以外の身体の構成細胞については、一部は障害されますがすべて自力で再生します。肺癌の放射線治療では1回2シーベルトを30回、60シーベルトで癌細胞をなんとか殺すことができますが再発することも少なくありません。細胞は放射線にかなり強いのです。DNAが傷ついた細胞は死滅しますが、周りの細胞が再生して治ります。人体は約60兆個の細胞が常々細胞死と再生を繰り返していることで約80年もの寿命を保っているのです。照射される容積の多寡で放射線の影響の程度は変わりますが、肺癌放射線治療が成功した場合周辺の肺組織は線維化し発赤した皮膚の炎症は色素沈着を残しますが、時間とともに回復します。熱傷の経過と同じことです。

医療で使われている放射線と比較して年間被爆5ミリシーベルトや1ミリシーベルト以下を目指して作られた環境や食品に対する暫定基準値は必要以上に厳しすぎると考えられます。水や牛乳の放射能の暫定基準値は1リットルあたり300ベクレル以下とされていますが、日常食べているバナナ1kgには304ベクレルの放射性カリウムが含まれています。主な内部被曝源として人体には体重の約0.2%の放射性カリウム(カリウム40)が含まれていると言われており、これは60kgの人で約4000ベクレルに相当します。また放射性炭素(炭素14)も2500ベクレル持っています。

甲状腺の検査や治療で使われる放射性ヨウ素のカプセルは最少925キロベクレルから最大1.85ギガベクレルまであります。医療では暫定基準値の3千倍から6億倍の放射能が内服で使われているのです。医療目的での放射線被曝量について法的な制限はありません。患者さんの得られる利益が放射線被曝の不利益より大きいと判断することを使用の前提としているからですが、暫定基準値よりはるかに大きい放射線が保険診療でほゞ安全に使われています。

地球はすでに約2000発の原水爆実験で汚染されています。今回の事故がなくても日本人は食品から年間0.2ミリシーベルト、環境から2.4ミリシーベルト被曝しています。中国広東省陽江県の自然放射線は1年間の6.4ミリシーベルト、ブラジル・ガラパリでは10ミリシーベルトですが有意な放射線障害は証明されていません。

最近、福島の魚の放射線を1kg50ベクレル以下でないと出荷しないことにして、測定をはじめたとのニュースがありました。測定器には分厚い鉛の扉がついていましたが、1kg50ベクレルというのは環境からの放射線の影響を厳重に除かないと計れないほど微量な放射線であることを意味しています。測定している人が被爆し続けている環境より少ない放射線を計測し規制するのは全くナンセンスなことです。地球上で飢えている人たちが多い中で厳しすぎる基準で食料を大量の廃棄してよいのでしょうか。

ダーウィンの進化論は突然変異と自然淘汰がもとになっています。トンビがタカを生み、サルから人間ができたのも自然放射線のお陰と言えなくもないのです。遺伝子の変異は絶えず起こっていて、新型インフルエンザが発生するのもそのためです。インフルエンザウイルスは遺伝子変異を繰り返して、人間や豚などの免疫機構からすり抜けて生存し続けているのです。

 東大児玉教授によると熱量換算29.6発、ウラン換算20発の広島原爆が漏れたとのことですが一人も熱傷で死んでいないし、急性放射線障害の患者も皆無です。広島はピカドンと一瞬に熱線が出たが、福島はゆっくり長い時間をかけて放出したため、熱傷者がいないということだろうと想像します。それなら福島全土に降り注ぐ太陽熱のほうがはるかに大きいはずなので、太陽熱何日分の熱量と説明すればよいことです。熱量の比較だけで広島原爆29.6発が独り歩きし、恐怖心をばらまくのはまさしく東大発の風評被害です。総量が大きくても希釈すれば有意な害は無くなります。ウラン換算では広島原爆20個分としても急性放射線障害の報告が皆無であることから、分散することで大した被害が出ていないと思われます。福島の瓦礫処理に東京や大阪が協力することに放射能を理由に反対する人間がいるのは利己主義丸出しで嘆かわしいことです。今こそ全国民が助け合わねばなりません。燃やした灰は放射能が濃縮され基準値を超えると騒いでいるが、たとえ放射能が基準より高くても放射能を含まない灰と混ぜて希釈して埋めればよいことです。希釈することが大切です。含まれる放射能より運搬するとき高速道路などに落とされる瓦礫による交通事故の方がよほど危険です。全国助け合って全国の港に船で一度に大量に運んで処理することこそ緊急に進めるべきです。

原発事故避難指示の基準について

1年間で20mSv(ミリシーベルト)を超える恐れがあることで避難指示がでました。20mSvでは短期に被爆しても人体には問題ありません。ましてや1年間の総計で20mSvではさらに安全です。薬も一度にまとめて飲めば危険ですが、一定の薬用量を続けると無害かつ有益な作用があるのと同じことです。放射能にもっとも弱いリンパ球や白血球の可逆性を考慮して2週間で200mSvになる環境まで居住を許可しても命には影響しません。避難を強制すれば、避難先でストレス、治療中断、環境悪化、運動不足や食事の悪化で病状悪化、死亡者が増加することになります。放射能のリスクと強制避難による生命リスクとを比較し、日本の現状に見合った合理的な基準を持つべきです。命を大切に考えるなら放射能の危険レベルを早急に見直すべきです。WHOなどが示している世界の基準は遊牧生活者も含めてすべての国に共通に適用される基準ですが、避難によって失うものが国によって大きく異なります。遊牧民ならパオ(移動式住所)を折りたたみ、羊の群れをつれて別の土地に移動することで、損失も少なく被爆を避けることができるでしょう。上下水道や電気やガスが完備された環境下で生活している日本では避難そのものが命の危険をもたらします。会社員、透析患者、人工呼吸器、在宅酸素療法中の患者、寝たきりや徘徊で要介護の患者さん、ペットと暮らしている老人など考えればきりがないほど移動困難者がいます。日本では酪農、養鶏,養豚などの業者もすぐには避難できません。子供は友達を失い、若者は仕事を失い、老人は命を失うことになります。強制避難は死亡者も含め失うものが大きすぎます。原発関連の死亡者は国内では過去東海村の臨界事故による2名のみであることを正しく認識すべきであると考えます。今の基準では放射能で命をなくする人は皆無でも、避難先で寿命を縮める人がますます増加します。日本では年間約3万人が不慮の事故で亡くなっています。放射能だけ特別視して恐れるあまり、他のもっと大きなリスクを忘れるのは大間違いであると知るべきです。

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LDMセミナー Wed, 30 May 2012 22:00:13 +0900
LDMセミナー>放射線の影響 ー レビューと最新情報 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/403-detail-120606.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/403-detail-120606.html

日  時:2012年6月6日(水) 14:00~
場  所:可視化実験室
テ ー マ:放射線の影響 ー レビューと最新情報  渡邉正巳(京都大学名誉教授・京都大学放射線生物研究センター特任教授)


渡邉先生は放射線生物学が専門で、放射線生物学一般について講義していただけます。特に以下の内容についてお聞きしようかと思っております。

・ラッセルのメガマウス実験の現代的な評価
・放射線の生体影響が線量率に比例するというのはどの程度定量的に分かっているのか
・分割照射は生体影響に影響するのか
・修復能力の定量的にどの程度分かっているのか
・放射線の蛋白への影響
パストゥール通信に藤田晢也先生が書かれているクロスリンケージとがん化について、現在の学会での評価

その他にも聞きたいことがあれば事前に準備していただけるそうです。

参考URL:http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/rb-rri/jnabe.html
     http://ja.wikipedia.org/wiki/渡邉正己
     http://www.anshin-kagaku.com/hobutsu2010_watanabe.pdf

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LDMセミナー Thu, 31 May 2012 05:54:10 +0900
LDMセミナー>単位表最終検討 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/402-detail-120602.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/402-detail-120602.html

日  時:2012年6月2日(土) 10:00~12:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ:単位表最終検討


5月15日に行なった単位表第一版の製作計画をうけて(当日の分はアップしてあります)、単位表の個人担当分を完成させ、合成ができる段階に持ち込みます。
学生メンバーは前日までに各担当分の修正版を完成させておいてください。
特に食品中の放射性物質の規制値と天然のカリウムの量との比較をどうするかなど、議論がありそうですね。

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LDMセミナー Tue, 22 May 2012 03:26:55 +0900
LDMセミナー>これからのエネルギー問題を考えるために https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/401-detail-120528.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/401-detail-120528.html

日  時:2012年5月28日(月) 10:30~12:30
場  所:可視化実験室
テ  ー  マ:これからのエネルギー問題を考えるために 金氏 顯(エネルギー問題に発言する会代表幹事)


私たちのセミナーは、「放射線は低線量でも怖い」と主張される科学コミュニケータの方、脱原発の意見をお持ちの方、宇宙太陽光発電に大変魅力を感じている人、再生可のエネルギーへの転換をすすめる人、色々な方々が、当セミナーでご一緒に議論しています。イデオロギーや価値観にとらわれず、いろいろな立場の方々と議論する機会を大切にしていきたいと思っています。
話題提供いただく金氏さんは、さる4月26日、「物理屋と原子力屋の自由討論会」という形で、お話いただきまいた。金氏氏との話し合いの中で、話が多すぎたため十分お聞きできなかった点を含めて、機会があればもういちど論点を整理して、お話願う機会があればと思っていました。このたび、京都ご訪問のついでにお話願うことになりました。

私たちの疑問の論点を艸場・坂東でまとめました。

{slide=論点まとめ}
金氏様

いろいろな情報を頂きありがとうございます。
ところで、現在、大飯原発の再稼働について、あるいは日本の原発ゼロの日を迎えていろいろな議論が出ておりますが、話が変な方向にそれてしまい、このままでは困ったことだと思っています。「この夏の電力が足りるか足りないか」といった問題が焦点になるのはどう考えてもおかしいと思います。今朝もテレビで(こういうホットな議論が起こると朝の時間帯のテレビ番組に注意をしてみてから、出かけることにしています)、「関電は足りない、足りないといっているがいったい福島事故があって1年もあるのに原発ゼロに向けて準備をしていなかったのか」とか言った論調で、例の前官僚上がりの古賀特別顧問などは、「足りないことを見せつけるために仕組んでいる」みたいな発言をしています。もっと冷静に考える方向へ持っていくべきところ、反対に煽り立てています。
まあ、いわば、原子力という生まれた赤ちゃんを、推進派はアメリカ任せでターンキー方式で安く上げようと、丁寧に育てず、反対派は、これまた、ちょっと病気したり事故が起こったりすると「それみろ、だからこんな子を産まなければよかったのだ。もう捨ててしまえ」という。この2つの狭間で、この生まれた赤ちゃんを悪い子にしてしまった、ともいえます。

「この夏、電力不足で大騒ぎになったら関電の勝ち」
「うまく乗り切れたら、脱原発の勝ち」

みたいな話になるのはまずいです。
そういう姿勢が丸見えの論争もあり、「関電がこんなつもりだから大騒ぎになったら関電が悪いのだ」というような風潮も出てきています。関電も、おそらく、何とか乗り切る道を模索しているはずですが、大岡裁きには、「迷子になった赤ん坊について、2人とも自分が母だと言い張っていたので、越前守は、赤ん坊の腕を双方の婦人がつかみ、引っ張り合いをして勝った方を真の母と認定すると決定する。しかし引っ張り合いが続くと赤ん坊は体がちぎれそうになって泣き叫ぶ。その声に一方の婦人は手を離してしまう。それを見て越前守は、子供が痛がる声に手を離した方こそ真の母親であると裁きを下す。」というのがありますが、この大岡みたいな人が増えないと困りますね。(どうももとはイソップ物語だとか聖書だとか言われているようですが)
そこで、今大切なこととして、金氏さんのご意見をぜひお伺いしたいと願っています。というのは、4月26日のあわただしい討論ではつくせない問題、特にエネルギー問題に関しては、いろいろと議論すべきところ、時間がありませんでした。そこで、その後いただいた議論も含めて論点を整理して、ぜひ意見交換できる機会があればと思っております。
 
<論点>
1) 今回の事故は、技術の問題というより、システム(マネジメント)の問題であり、指摘された不都合や問題点に耳を傾けようとしなかった原子力コミュニティの体質の問題であるという意見が聞かれます。特に民間事故調はそういう原子力コミュニティの問題を深刻に受け止めています。
これについてどうお考えですか?
2) 現在、再稼働すべきかどうかは、「電力がこの夏足りるか」という問題ではなく、今後どのように原子力エネルギーを活用していくかという問題であり、設備投資した原発が、もし安全性をしっかり見つめながら、人災も含めてシステム的に解決する具体的論点が整理されていない気がします。
抽象論では今役に立たないと思うのですが、この点について具体的な改善点を例えば大飯原発に限って整理できないでしょうか。あるいは改善策をお持ちですか。
3) 5月16日の共同通信配信のニュースによると、「経済産業省原子力安全・保安院と東京電力が2006年、想定外の津波が原発を襲った場合のトラブルに関する勉強会で、東電福島第1原発が津波に襲われれば、電源喪失する恐れがあるとの認識を共有していたことが15日、分かった」とあります。
今頃、こんなことがわかった、というのもげせない話です。これはすでに分かっていることかもしれませんが、電源喪失という点にのみ集中すれば、それほどコストがかからないで改善できたのではと思われます。コストが膨大にかかる堤防の話などはさておいて、電源の確保については、ちょっと電気事業に関係している方なら、例えば病院など停電ですぐ困る場合、津波から安全なところに電源を確保するっことは電気の供給を専門とする会社である東電にとってはそれほどコストがかからないような気がします。
素人考えですが。この辺りの事情を教えてください。
4) 関電ではこれまでに、同様の問題を含め、原発の安全性について指摘されていた問題があったのでしょうか。あるいは、これまで指摘されながら無視された問題があったのでしょうか。
上記の事情を考えると、これまでの指摘された点を洗い出す作業が大変重要だと思われます。これはすでに行われているのでしょうか?ご存知なら教えてください。こういうことをきちんと具体的に整理する事が、本当は大切なように思うのですが、いかがですか?
5) より将来的なことを言うと、再生可能エネルギーの実力は、最大でもドイツの20%大程度だということだという主張があります。
これは日本にとってはまだまだ実現がこれからにかかっているとはいえ、ドイツでは少なくとも10年はかかっていることは事実です。そうすると、この通りだとして、では、原子力による発電は今の水準を維持できるのでしょうか?
たとえば、老朽化、使用済み燃料などの課題をどのように考えておられますか。実は、私は、今回の事故がなくても、使用済み核廃棄物の問題を「放置したまま、原発が推進されたことは、致命的であると思っています。
6) 北澤氏は、原発なしのエネルギー未来像を描かれています。
しかし、今回の京都訪問で、科学カフェで講演され、エネルギー問題について、「再生可能エネルギーで電力が賄えるか、原発なしで可能か」といった問題では、決して当面それが可能だとは思っておられないと思いました。ドイツの例を見ても、この10年、無理して頑張ってきたが、かなりトーンダウンですね。
ただ、北澤氏は「ドイツレベルまでは到達する価値がある」といわれます。送電技術・蓄電技術がここでは決定的な役割を果たすことも事実ですね。このあたり、もっとしっかりした議論が必要です。
 
以上、とりあえず、まとめてみました。
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これに対して、「頂きましたご質問へは口頭だけではなく資料で説明したほうがいいものは適当な資料を用意したいと思います。パワーポイントをプロジェクターでスクリーンに映します。」という金氏氏からのお返事を頂いています。

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LDMセミナー Sat, 19 May 2012 05:56:40 +0900
LDMセミナー>単位表会議 https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/400-detail-120515.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/400-detail-120515.html

日  時:2012年5月15日(火)
場  所:可視化実験室
タイトル:単位表会議


4月10日の話し合いの結果から、食品の新基準について考え直して見ることが提起されました。つきましては、現在の食品新基準について意見のある方、詳しい方はメール等で意見の交換を行ってくださると幸せです。

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LDMセミナー Mon, 14 May 2012 05:30:34 +0900
LDMセミナー>民間事故調査委員会を終えて https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/399-detail-120512.html https://www.jein.jp/activity-report/ldm/seminar/399-detail-120512.html

日  時:2012年5月12日(土)
場  所:可視化実験室
タイトル:民間事故調査委員会を終えて 北澤宏一(調査委員長)


2012年2月28日「福島原発事故 独立検証委員会」の調査・検証報告書がでましたこの調査をした委員会は、民間人による委員会で、内閣府に設けられた「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」や国会に設けられた「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」とは異なり、民間人の立場から事故の検証を行う委員会で、略称「民間事故調」と呼ばれています。
「政府の事故調」「国会の事故調」とは別の立場、視点で福島第一原発事故を検証するために、一般財団法人 日本再建イニシアティブが2011年10月に設置しました。科学者や原子力の専門家、法律家など6人の委員で構成され、当時首相の菅直人氏や当時官房長官の枝野幸男経済産業相などの政治家や原子力安全・保安院、原子力安全委員会、官僚関係者などからの聞き取り調査を行っています(東京電力経営陣は聴取に応じなかったそうです)。

内容は以下の4部から成り立っています。

第1部「事故・被害の経緯」
第2部の「原発事故への対応」
第3部「歴史的・構造的要因の分析」
第4部「グローバル・コンテクスト」

国際的な視野に立っており、報告書の英語版を世界に向けて発信する予定だそうです。北澤宏一委員長に直接にお話を聞き、忌憚のない意見交換をしたいと希望しています。
ご出席の方は、ご一報ください。

なお、この日の午後14時より、科学カフェ京都で、北澤氏の講演が予定されています。詳しくはこちら、または科学カフェホームページをご覧ください。

{slide=参考資料}

北澤先生のお話の論点

1)検証レポートについて

結果論ですが、「安全神話による自縄自縛状態が推進・規制両側に生じていたこと、そしてこのことが安全対策を妨げていたこと」「ここ約30年間の人々が責任ある立場についていた人々がほぼすべて『自分一人が問題点を指摘して流れに竿をさしても無駄だと感じていた』ことを述懐していること」安全委員会に「30分以上電源喪失が起きた場合のことは想定しなくて良い」という指針が存在していたこと(大前氏の指摘)。この問題に対する民間事故調の答えが、上記、および「当時は東電の力強く、このような指針をつくることになってしまった。その後も、規則を変えようと言い出せる雰囲気になかった」という保安院などの要職を務めた元経産省高官の声があること。炉メーカーと電力会社の間に「安全性向上のための対策」という言葉はタブーであり、仕様書などから抜かれてしまっていたこと。安全対策がとれなかったために、ベントフィルターがつけられない、放射線レベルが高くならない遠方よりベントができるようベントバルブのシャフトを遠くまで伸ばすことができなかった、といった危機対策が勧められない状態が生じていた、といった状態。

この「空気を読む馴れ合い社会」をどうやって打破するのか。第4号炉が最大の危機を与えていたことの周知。10万人の避難が3000万人以上の避難であり得たこと。外国人だけがなぜ日本脱出を図ったのか。その危機がある偶然が二つ重なることで回避されたことをどう評価するか。その危機は数年分以上の使用済み燃料を一つの炉の中、それも炉の上方プールに貯蔵していたために、余震などでプール破壊の危険があったこと、放射能漏れの源としては使用済み燃料の方が炉内の燃料棒よりさらにレベルが高い可能性があること。原子炉事故はたとえ起きてしまっても、それを小さく抑える努力が決定的に重要。規制組織の問題や、情報操作の問題がさらに重要な政治行政上の問題としてあります。

2)低線量放射線問題

低線量放射能問題は私は一市民としての感想しかありません。ただし、次の問題に答えを持っている必要があると思います。現実の福島市などで起きている難しい問題だからです。自分の家に「この物質は許容レベル〇〇まではひとに害を与えない。だからそれ以下のレベルなら撒いてもいいだろう、といって誰かが放射能を撒き始めた時、あなたはどうしますか」という問いに答えねばならないと思います。正当防衛として立ち上がって撃退するか、それとも、そのレベルまでは容認するか。不幸にして撒かれてしまった。あなたの家の価値は「風評被害」によって、8割安になってしまった。あなたは損害賠償を要求する権利があると思うか。毎年、たとえ放射能が自然レベルであっても福島県の人口200万人程度であれば100人程度の小児がんが発生します。現在の科学ではその発症が放射線によるものであったか、そうではなかったか、判定することはできません。妻は「だからあの時に引っ越そうっていったじゃない」と言って悲しい顔をしてあなたを見つめます。あなたは自信を以て科学者として何かを妻に向けて言わねばなりません。何といったらよいのでしょう。逆に、国はこのひとたちにどう対応すべきでしょうか。文科省の人たちは日々この問題にさいなまれています。ウクライナの人口統計ではこの人口5000万人の国で、チェルノブイリ以降、死亡者数には変化が見られず、出生者数が減っていることが示されています。このことは子供を産む年齢層が国から出て行ったことを意味しているように思われます。図面は添付しました。科学は科学として厳然と「感情や風評を交えることなく」真実のみをきちんと提供すべきと思います。しかしながら、政治は現実に対処できなければならない。たとえば、200万人に一人あたり1000万円ずつ補償したとすると10兆円かかります。一方、除染活動を続けると同じく10兆円近くがかかることが試算されています。どちらがいいのか。起こってしまった政治的問題には、「正解」がない場合が多い。これを科学的に「正解がある」と考える自信は私には現在のところありません。しかしながら、にもかかわらず、政治は決着を必要とします。そして科学者に答えを要求します。「科学+社会的価値」という決断が必要になっていると思います。

一般論として、原子力はだれもが「やめられるものならやめたい。しかし、やめたら大変なことになるのではないか。」というのが多くの人の見方ではないでしょうか?日本では「経済が大変になる」というのがメインの話題です。ドイツでは「廃棄物が子孫に負の遺産になる、世代間衡平を倫理的に考えるべき」という議論でメルケル首相が委嘱した倫理委員会が結論をだし、その答申に基づいて、たとえ、経済的に大変なことがあっても国として産業移行を進めつつ連邦銀行の協力を仰いで10年間の間に脱原発を図ると決定されています。週極ではどうか、アメリカでは。これらのことを調査するために、学術会議の「エネルギー政策の選択肢分科会」は昨年9月に報告書をまとめました。残念ながら学術会議の広報力ではなかなか内容をしてもらうことが難しいのです。選択肢6つのうちもっともラジカルなシナリオは直ちに脱原発し、2020年までに25%温暖化ガス削減を達成する場合、逆に、原子力比率を向上し、電力の5割を賄えるようにするケース、の二つです。前者だとただちに年間5兆円程度の投資を再生可能エネに対して始めねばならなくなることが報告書事務局試算で出ています。日本の化石エネ輸入が20兆円を超えていますので、国産エネに切り替えていくといずれこの20兆円が財源になることが考えられます。一方で、どの程度の国民負担なのかについては年間5兆円というのは一人当たり5万円。ただし、投資をするのは現在投資余力のあるひと。日本はいま毎年20兆円程度を海外に投資しているので、その一部を国内とうしに向けさせることが必要ですが、それを可能にするには海外投資より国内投資を有利にする必要。その条件は国内投資が儲かるようにする必要。そのやり方はたとえば現在論議されているFITなどがあります。このような社会経済的議論も科学者の中に広がっていくことが有効かもしれません。

北澤 宏一

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LDMセミナー Fri, 11 May 2012 04:32:15 +0900