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感情と光吉俊二さん

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ソフトバンクのロボットであるペッパー君の感情エンジンを作った光吉俊二さんという天才というか怪人の話をしたい。

私はシンギュラリティサロンという公開講座を運営している。ほぼ月に一度、大阪と東京で、シンギュラリティに関係ありそうな権威者を招いて講演していただいている。あるとき、ソフトバンクのペッパー君の感情エンジンを作ったという光吉俊二さんをお呼びした。そしてその天才ぶりと怪人ぶりに驚嘆した。あとで個人的に聞いた話や、光吉さんがインタビュー記事で語ったことなどを中心に述べよう。

まず外見からして異様である。11月にお呼びして、かなり寒くなりかけだったのに、タンクトップ姿で汗をかいていた。またスキンヘッドで、結構すごみのある顔で、どうみても社長とか知識人には見えなかった。あえて言えばヤクザの親分という感じであった。

筋肉隆々で腕がとても太かった。実際、空手5段だという。8200ccのエンジンを持つ一トン近いバイクに乗っていた。バイクが倒れた時に起こせないと乗れないという。

北海道の出身で格闘技をやりたかった。東京に格闘技を学びに行きたかったが、親が許さないので多摩美大に入って彫刻を勉強した。彫刻家としても一定の成功を収めた。

ベンチャーを起業したり、米国に行ったりしたが、博士号をもたないと人が信用してくれないことがわかり、徳島大学の博士課程に入学した。

そこで与えられたテーマは感情をJIS規格にすることだ。そこで感情について徹底的に調べた。日本語には感情に関する単語が4500あるが、英語には223しかないことがわかった。感情の種類について分類した。感情の分類についてはあとで述べる。 そのいかつい姿に似合わず、数学が得意だという。なんでも数式に見えるそうで、光吉の演算子という言葉をいわれた。

また記憶力もすごく辞書を暗記できるという。サバンですねと聞くと、そうだと答えられた。サバンとは電話帳を暗記するとか、見た光景を全部覚えているとか、初めて聞いた曲をすぐにピアノで弾けるとか、とてつもない能力の持ち主だ。しかし普通のサバンはその他の知能は低い。光吉さんは知能の高いサバンだ。

光吉さんによると感情は赤、青、緑、黄色の4色に分類できる。赤は怒り、嫌悪感、不快、青は不安、不安定感、不満、緑は安心、安定感、満足、黄色は愛、好感、快感をあらわす。

人の気持ちはいつも揺れ動いているが、ホメオスタシスと言って恒常性を維持しようとする。健常者は緑の感情、つまり安心、安定、満足を維持しようとするがうつ病患者は青の感情つまり不安、不安定感、不満に偏り、やがて感情が消失する。

声から心の中を判断できる。言葉は建前つまりウソをいうことができるが、声には本音がでる。声帯には随意筋の部分と不随意筋の部分があり、随意筋を意図的に動かしてウソの言葉を発することができるが、付随意、自然に情動がでる、たとえば声が固まるとか震えるのでそこに本音が現れる。

声から病気を判断することもできる。

まあともかく光吉さんの天才ぶりというか、怪人ぶりというのは直接お会いするとよく分かる。

   
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