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京都秘密名所巡り 11・・・京都府立植物園と半木の道

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今回は京都府立植物園を紹介する。ここも秘密名所ということではないが、かといって観光名所というわけでもない。でも私は結構気に入っている。なんでも日本初の公立植物園だそうで大正13年にできたという。24ヘクタールの広大な敷地に12,000種、12万本の植物が植えられているそうだ。

ここへの行き方としては、南側から行く場合は北大路通りの市バス停留所「植物園前」から歩く。地下鉄の北大路駅から東に歩き、賀茂川を渡ったところにある。このあたりの賀茂川の堤防は半木の道(なからぎのみち)といって、桜の名所である。この付近の景色はテレビドラマなどで京都が取り上げられるときに良く出てくる。賀茂川のシーンの次が嵐山だったりして、いったい主人公はそんな長距離を、どのようにして短時間で移動できたのだろうかと、京都に住む人なら笑う。半木の道は京都の典型的風景の一つであるので、桜の季節と言わず、一度行かれることをおすすめする。

植物園の正門は南西の角にある。

植物園へのもう一つの行き方は、植物園の東北の角付近に位置している北山門から入る方法で、地下鉄北山駅で降りるとよい。この付近には京都コンサートホール、京都府立総合資料館、京都府立大学などがあり、京都のひとつの文化ゾーンになっている。ちなみにもう一つの文化ゾーンは岡崎にある。

入園料は200円である。もっとも老人はただである。正門を入ってすぐに園内花壇があり、四季様々な花が咲き乱れている。まずはそこで花の美しさに圧倒される。当然、冬よりは春か秋が良いが、一年中、なにがしかの花は咲いている。咲いている花の情報は、ここをどうぞ。

正門を入って右手(東側)には植物園会館があり、1階は休憩室、展示室、2階には食堂がある。展示室ではいろんなイベントをやっていることが多い。トイレもある。難病を抱える私にとっては、トイレの位置を確認しておくことは重要なのだ。植物園は広大なので、計画を立てて歩かないとえらいことになる。

正門を入って、まっすぐに北に進めば、左手に池がありそこに温室がある。温室に入るには、別に200円必要である。温室からさらに北に歩くと、池がいくつかあり、鴨などの水鳥と鯉がいる。そこには島があり、島の中央に半木神社がある。

また植物園の中央部には、広い運動公園があり、その北側には休憩所、軽食堂がある。当然トイレもある。正門を入って、ずっと右に進むと噴水のある場所に至る。そのあたりにもトイレがある。噴水の北には池があり、そのほとりに見事な楓の木(フウの木)がある。これは紅葉時には見事に赤くなる

さてここまでは公式の植物園案内であるが、ここからは私個人の、密かな植物園の楽しみ方である。その一つは夏の暑い日に、木陰のベンチに座って読書などをすることである。植物園にはベンチは多いのだが、その多くが太陽に晒されているのだ。春秋はそれがよいだろうが、夏の暑いときはたまらない。木陰にあるベンチは数えるほどしかない。その一つは、林の中の曲がりくねった道に沿ってある。私はそれを気に入っているのだが、行ってみて先客がいるときはガッカリする。

ところで植物園に来る客だが、観光客とおぼしき人たちをのぞくと、圧倒的に老人が多い。タダということが効いているのだろう。自分も老人であるので、こんなことを言うのは何だが、老人が時間をつぶすには格好の場所であると思う。その老人達だが、結構高級なカメラを抱えていることには驚かされる。望遠レンズ付きの一眼デジタルカメラである。私の持つような安物デジタルカメラとか、iPhone付属の性能の悪いカメラなどではない。それで花を熱心に撮影している。そんな老人が私の指定席を占拠しているのだ。

私が以前、ここで計画・妄想して、まだ果たしていないことに、植物園のベンチに座って、PCで株や先物取引をすることがある。以前なら無線付きのPCが必要であったが、今ならiPhoneで簡単にできるはずだ。しかし、植物園に来てまで世俗の垢にまみれるのは、よろしくないと思い、実現していない。

植物園のもう一つの楽しみ方は、敷物を持参して、芝生に寝転ぶことである。寝転ぶことのできる適地はそれほどない。林や森の中は虫がいてダメだ。運動場も暑いだけである。桜が多数咲いている場所がよい。そのあたりで、植え込みがあり、周りからは見えないところに持参の敷物を敷いて寝転ぶのである。見上げると頭上の木の葉と、その隙間から見える青空。周りを見渡すと、子供を連れたお母さんが、座り込んで友人と話している。平和な景色である。こんな幸せな光景がいつまで続くのであろうか、この日本は、などと考えてしまう。こうして寝転びながら、私の脳みそは激しく活動する。それは当然、世界征服計画についてである。

   
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