研究所紹介  

   

活動  

   

情報発信  

   

あいんしゅたいんページ  

   

2012年に人類文明は滅亡するか ?その2 小惑星2011 AG5 現実性のチェック

詳細

本文はSpace Dailyに掲載されたレポートの翻訳である。

小惑星2011 AG5-現実性のチェック

スペースデイリーのスタッフによる記事

2011年 3月1日カリフォルニア州パサデナ・ジェット推進研究所

小惑星2011 AG 5が最近かなり注目を浴びている。というのも今から28年後にその軌道が地球軌道と交差して地球と衝突するという、余りありそうにない可能性のためである。この比較的ありふれた宇宙を漂う岩石、それは 1から10のトリノスケールで測って 1なのであるが、についてここで科学的な現実性のチェックを行う。

2012年2月26日現在では、小惑星2011 AG5はすでに発見されている 8744個の近地球小惑星の一つである。その大きさはほぼ140メートルであり、その軌道は外側は火星の外まで行き、内側は地球と金星の真ん中ぐらいまで来る。

その天体はアリゾナ州ツーソンの北にあるレモン山の頂上にある 60インチのカセグレン望遠鏡を使って、2011年1月8日に天文学者によって発見された。

現在その小惑星は昼間に見えるので、2011 AG5 の観測は地上の望遠鏡ではできない。だから現状では数10年先のその小惑星の位置を確実に決めるほどには、軌道が正確に分かっていない。しかし観測できる日は近づきつつある。

「2013年9月には 2011 AG5は地球から1億4700万キロメートルの距離に近づくので、さらに観測する機会がある」とカリフォルニア州パサデナにある NASAジェット推進研究所の近地球天体プログラムのマネージャであるドン・ヨーマンスは述べている。

「その機会を使ってこの空飛ぶ岩石を観測したら、軌道をさらに精密化することができる。この大きさの近地球小惑星が地球に衝突する機会は非常に小さいので、予見しうる将来にこの天体が地球に衝突する可能性を完全に排除するか、あるいはその可能性を非常に小さくすることができると思っている」

2015年後半にはもっと良い観測が可能になる。

2011 AG5が次に地球に近づくのは 2023年2月であるが、その時の地球との距離は160万キロメートルより近くはないであろう。2028年にはその小惑星は再び地球に近づくが地球との距離は1670万キロメートルよりは近くはない。

近地球天体プログラムの事務局によれば、この空飛ぶ岩石が地球重力の影響を受けて 2040年 2月5日に衝突コースに入る可能性があるが、この可能性は 1/625程度でしかない。

「再び来年、付加的な観測をしてこの可能性が変化して、さらに地球に有利になるかもしれない、ということを認識することは重要である」とヨーマンスは語った。

NASAは地球と宇宙空間にある望遠鏡を使って地球に接近する小惑星と彗星を発見し、追跡し、その性質を調べている。

近地球天体プログラム、それは普通は「スペースガード」とよばれているのだが、これらの天体が地球に有害な影響を及ぼすかどうかを調べるために、天体を発見し、解析し、軌道を決定している。

   
© NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん (JEin). All Rights Reserved