ヘッドマウントディスプレーとスマートウォッチ
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- 2012年4月25日(水曜)13:41に公開
- 作者: 松田卓也
ウエアラブルコンピューター
ウェアラブルコンピューターという言葉がある。身に付けることができるコンピューターと言う意味だ。いろいろなウエアラブルコンピューターが提案されているが、iPhoneやアンドロイドなどのスマートフォンも、ウエアラブルコンピューターの一つであるとも言える。しかしiPhone をコンピューターとして操作するためには、画面を見なければならない。そのためにはiPhoneを取り出さなければならない。歩きながらでもiPhoneの画面を見ることができないだろうか。色々なアプローチがあるが、ここではヘッドマウントディスプレーとスマートウォッチについて紹介しよう。
ヘッドマウントディスプレー
ヘッドマウントディスプレーとは、頭に搭載するディスプレイという意味だ。ベルトで頭に取り付けるか、メガネのような形式のものがある。両眼式と単眼式がある。両眼式は両目をすっぽりと覆ってしまうもので、こんなものを被って、歩けるわけがない。主として映画を鑑賞するのに使われる。両目が覆われているので没入感がある。単眼式はコンピューターのディスプレーとして使うもので、これが私がここで取り上げたいものである。しかし両眼式も興味があるので少し紹介しよう。
巷で噂なのは、SONYのヘッドマウントディスプレイHMZ-T1である。ヘッドマウントディスプレイ自体は以前から様々なモデルが存在しており、ソニーも90年代に「グラストロン」というブランド名で発売していた。新し物好きの私は発売直後に買ったものだ。結論的にいうと、少し中途半端なもので、商業的な成功はおさめなかった。その後、オリンパスやニコンなどがこの手の製品を出しているが、成功したとは聞いていない。
HMZ-T1の新しい点は表示パネルに液晶ではなく有機ELを使っていることとか、解像度が1,280×720と高いことが挙げられる。これはもしコンピューターの端末として使う場合は重要になる要素である。これが6万円前後と手が届く範囲であるということも重要であろう。グラストロンの使用経験から言えば、一番の問題は装着感であろう。これを装着するとうっとうしいのである。いろんな人の使用感を読んでみても、鼻の頭が痛くなるという報告がある。私の予想ではやはりメインストリームにはならない製品だと思う。
コンピューターの端末として使うためには単眼式でなければならない。キーボードが見えないからだ。この種のもので安いものは解像度が粗く、実用には適さないと思う。実用的なものと思われるものとしては、軍事用のものとか産業用のものがある。
例えばパーソナルディスプレイ機器製造の米Vuzix社が軍事用に開発した単眼式HMD『TAC-EYE LT』がある。しかし、高すぎて話にならない。
国内で開発されたものとしては島津製作所のものがある。しかしこれとても19万円近くするので、おいそれと買えるものでは無い。
現在単眼式ヘッドマウントディスプレーでホットな話題はグーグルが開発しているというグーグルグラスであろう。グーグルによればグーグルグラスはアンドロイドのスマートフォンの端末にすることができるという。youtubeのコンセプト動画を見る限りは、なかなかすばらしいものである。しかし専門家の指摘によれば、あのデザインでyoutubeにあったように、視野の真ん中に情報が表示されることはないという。あまり期待しない方が良いようだ。
スマートウオッチ
時計をコンピューターとして使うというアイデアは昔からあった。実際非常に小さなキーボードのついた、カシオの電卓つきの腕時計を私は持っていた。
時計を単体のコンピューターにするというアイデアもあるのだが、 iPhoneやアンドロイド の端末として使うというアイデアがある。まだ発売されてないのだが、スマートウオッチのPebbleというものがある。これは時計型のコンピューターである。反射型液晶を使っているので電力の消費が少なく電池は一週間はもつという。普段は時計なのだが、メールがスマートフォンに届くと知らせてくれるようにすることができる。PebbleはスマートフォンとはBluetoothで接続されている。様々なソフトを開発してBluetooth経由でロードすることができる。値段は一万円程度と手軽なのだ。今年の9月に発売だそうだから今から楽しみである。アップルも当然同じようなプロジェクトを組んでいるはずだ。
日本ではソニーがSmartWatchというものを発売した。機能的にはPebbleと非常に似ている。こちらはアンドロイド専用なので、残念ながら私は使うことができない。値段は9480円だ。