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on-line cafe “湯川博士の贈り物”

2020年は、コロナウイルス感染症の拡大により、予定していたサロン・ド・科学の眼差しの講座(続・松田卓也連続講座)を延期・中止とせざるを得なくなりました。

そこで、コロナ禍が終息しない現状を踏まえ、Web会議ツールであるZoomを使って、オンライン経由でご参加いただける講座を開催いたします。
この講座は、誰でも気楽に参加できて、ざっくばらんに意見交換できる場したいとの思いを込めて、冒頭に「cafe」との名称を付与することにしました。オンライン経由ではありますが、講演者の一方的なトークで終わるのではなく、自由に質問し、意見が交換できるようにして、皆さんが楽めるcafeとの名にふさわしい場にしたいと考えています。

2021年のスタートは、「湯川博士の贈り物」というテーマで、NPO法人あいんしゅたいん名誉会長である佐藤文隆氏をスピーカーとして、湯川秀樹博士にまつわるお話しをしていただきます。

佐藤氏は、最近行われた「玉城嘉十郎教授記念公開学術講演会 50周年記念Zoom講演会」で湯川博士の話をされ、そのために新たに多くの資料を収集されました。まだまだたくさん話すことがあるとのことですので、この機会にご披露いただきます。

湯川研究所長(基礎物理学研究所所長)を長らく経験された佐藤氏は、湯川博士との思い出をたくさん持っておられます。湯川博士のご自宅に挨拶に行かれたときのエピソードなど、他では聞けないお話を盛りだくさん聞かせていただけるでしょう。
科学者としての深い思索や何事も深く追求してやまない湯川精神の神髄を、市民・科学者問わずみなさんで共有し、同時に現代の問題につなげつつ、共に考える機会にできればと思います。

湯川博士の贈り物をしっかり受け取り、次の世代に受け渡していきたいと願っています。皆さまのご参加をお待ちしています!!


スピーカー:佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長)

 

司   会:坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)・艸場よしみ(編集者) 

日   程:2月21日~6月27日(全5回)

回 数 日 程 各回テーマ
第1回 2月21日(日)  湯川の生涯 ~湯川邸を訪ねて~
第2回 3月28日(日)  湯川と物理学 ~創造と展開~
第3回 4月25日(日)  湯川の戦前戦後 ~戦争と核兵器~
第4回 5月30日(日)
変更
6月27日(日)
 湯川の文化活動 ~科学と伝統~
第5回 6月27日(日)
変更
7月25日(日)
 湯川の短歌・書・記念碑など ~世間と共感~

※ 開催は月1回を予定しています。日程については、講演者の都合等で変更になる場合があります。

時   間 :10時~11時30分(90分を予定)

定   員:50名

参 加 料:一 般:1講座:800円 全5回一括払:3,000円
      会 員:正会員・賛助会員・利用会員:1講座:600円 全4回一括払:2,000円(第1回は参加料無料)
                   協力会員:1講座:800円 全4回一括払:2,500円(第1回は参加料無料)

  法人の会員(含、協力会員)にご入会いただくと、第1回目の講演(2月21日開催)は無料でご参加いただけます。
また、その他にも会員特典がございます。詳しくは、会員特典案内のページをご覧ください。法人会員のご入会は、会員入会申込フォームのページから、必要事項をご記入の上、お申込み下さい。
  内容はそれぞれの回毎に独立していますので、ご興味のある回のみご参加いただいても支障はございません。
  参加料のお支払いは、銀行振込・クレジットカード払い(Visa・Mastercard・American Express)のいずれかを選択いただけます
支払方法については、お申込み後、当法人より送付させていただくご案内メールにてお知らせいたします。

申   込:参加申込フォームよりお申込みください

ご 注 意:お申込みに際しては、以下の点ご了承いただきますようお願いいたします

  講座の様子は撮影いたします。 撮影した映像の一部は電子教材として使用し、インターネット等の媒体を通じて公開させていただく場合があります。 公開に際しては、可能な限り肖像権に配慮した編集を行いますが、質疑応答を行うという性格上、映り込みが生じる点はご了承ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開すること、さらに講座に参加するために必要なURL・パスワードを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。
  開催日当日、参加者様のご都合より欠席された場合、Zoomを通じてクラウド上に録画された講座の動画をご覧いただけるようにいたしますので(閲覧可能期間は1週間程度)、払込済参加料の返還はいたしません。

問い合わせ:NPO法人あいんしゅたいん事務局 TEL:075-762-1522 E-mail:secretariat [at] jein.jp

※ コロナ禍を原因とする業務の大幅縮小中のため、電話対応できない場合がございます。悪しからずご容赦ください。

主   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)

後   援:京都大学基礎物理学研究所

備   考: 本講座は、Zoomを使ったオンラインで実施するため、思わぬシステムトラブル・通信トラブルにより予定通りの内容をお届けできない可能性がある点につきましては、ご理解の上、ご容赦くださいますようお願いいたします

 講演概要
 
第1回 湯川の生涯 ~湯川邸を訪ねて~

父小川琢治の転任により京都市内で成長し、そのまま市内の第三高等学校、京都大において物理学のみちにすすみ、27歳で発表した中間子論により、戦後まもない1949年に日本人初のノーベル賞に輝いた。その衝撃的感動は全国民のものであり、湯川は国民の負託に応え、学術、文化、平和の国民的課題で積極的に行動し、多彩な人生をえがいた。湯川の生涯を日本の時代の流れの中で見るとともに、そのゆかりの地についても触れる。
第2回 湯川と物理学 ~創造と展開~

ニュートン以来の物理学の革新といえる量子力学の誕生に大学時代に遭遇し、同級生の朝永振一郎とともにこれを自学自習し素粒子物理学という新分野を創造した。湯川の植えたその芽は日本の研究を世界最前線に押し上げたのみならず、基礎物理学研究所所長として量子力学の宇宙物理学や生物物理学への展開にも注力して幅広い分野に貢献した。X線の発見から現在の最前線の研究の中に湯川の創造を位置づける。
第3回 湯川の戦前戦後 ~戦争と核兵器~

自由な大正時代に青少年時代を過ごした湯川は、軍国主義の昭和十年代に著名な学者となり、苦悩の中におかれた。末の弟も徴兵で戦死した。戦後すぐの1948年、原爆の父オッペンハイマーの招待で訪米し、その後足掛け5年にわたり家族で米国に滞在した。帰国後の1954年、ビキニ環礁での水爆実験で日本漁船が被曝したのを期に大量の核兵器の存在が多くの人々のまえに明らかになり、湯川はこれを人類の危機と受け止めて核兵器の廃絶運動に取り組んだ。
第4回 湯川の文化活動 ~科学と伝統~

湯川は幼児期には祖父による漢学の素読の薫陶をうけ、また少年期には文芸ものに読み耽けるという文系人間だった。戦後、科学が輝いて見えた時期、世界的科学者としての湯川と小林秀雄のような碩学をはじめとする学者・作家などとの対談が企画され、また後半生には司馬遼太郎、梅棹忠夫、梅原猛などの新進とも積極的に交流した。こうした闊達な討論のなかに多くの国民は学問の真髄を享受した。そのテーマは近代科学から日本の古典にもおよび、十数冊の著作集が発行されるほどの多くの文章を残した。
第5回 湯川の短歌・書・記念碑など ~世間と共感~

湯川は若い時から短歌をたしなみ、470首以上の歌を発表している。戦後の湯川は講演要請に応じて各地を旅して、ひとびとに多くの感銘を与えるとともに要請に応じて揮毫をのこしている。また広島の平和公園はじめ各所に湯川の歌や揮毫の石碑が残されている。将来は、多くの国民の共感を得て湯川が紙幣の肖像として登場することをねがっている。
   
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