活動報告 - NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん https://www.jein.jp/jifs/activity-report.html Tue, 30 Apr 2024 09:06:35 +0900 Joomla! - Open Source Content Management ja-jp 2012年3月11日開催 第7回公開講演討論会報告 https://www.jein.jp/jifs/activity-report/481-120311.html https://www.jein.jp/jifs/activity-report/481-120311.html

3月11日(日)に「シリーズ東日本震災にまつわる科学ー第7回公開講演討論会」が、京都大学理学部セミナーハウスにおいて開催されました。
今回の講演会はNPO法人あいんしゅたいんとジャパン・スケプティックスの合同講演会になりました。

ジャパン・スケプティックスは超能力、UFO、超常現象のような疑似科学を批判的に研究している会で、基礎科学研究所副所長(NPO法人あいんしゅたいん副理事長)である松田卓也はジャパン・ スケプティックスの会長をつとめています。
ジャパン・ スケプティックスは昨年に総会と公開講演会を東京で行う予定にしていしましたが、東日本大震災のために延期になったため、今年の3月11日に総会を京都で行うこととし、公開講演会も「あいんしゅたいん」との合同講演会にすることにしました。

今回の公開講演討論会では、まず安斎育郎氏(立命館大学名誉教授)が「福島原発事故をもたらしたもの--科学リテラシーにもふれて」と題して講演を行いました。
安斎氏はジャパン・スケプティックスの前会長でもあります。安斎氏は東京大学の原子力工学科の第一期生であり、若い時から原子炉の安全性に懸念を表明され、国会を含むいろんな場で反原発運動を展開してこられました。そのためにいわゆる原子力村の人々から排斥されて、長い間、助手のままにとどめ置かれました。立命館大学に移ってからは、疑似科学に対する批判運動も展開しておられます。また国際平和ミュージアムの館長として平和学、核防護学を講じて来られました。今回の講演では、安斎氏のこれまでの経験に関して主に語られました。

次に宇野賀津子氏(NPO法人あいんしゅたいん常務理事・ルイ・パスツール医学研究センター主任研究員)が、「低線量放射線の影響と科学者の役割:福島での学習会経験から」と題して講演しました。
低線量放射線の悪影響が、世上、過大に喧伝され、福島の人たちは余分な不安感にさいなまれ、また言われない差別を被っています。宇野氏は福島での講演会活動を通じて、福島の人々たちの心のケアを行っています。

休憩を挟んで行われたパネル討論では、「どのように原子力と対峙すべきか」と題して、司会、高橋昌一郎ジャパン・スケプティックス副会長(国学院大学教授)、パネリストとして安斎育郎氏、宇野賀津子氏、坂東昌子氏(基礎科学研究所長・NPO法人あいんしゅたいん理事長)、佐藤文隆氏(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長)、松田卓也氏及び会場からの意見も含めて白熱した議論が戦わされました。

その後は立食の懇親会が行われ、講師、パネリスト、一般参加者の間で懇談が行われました。

<安斎育郎氏>                  <宇野賀津子氏>

<会場の様子>

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活動報告 Sun, 25 Mar 2012 19:32:48 +0900
2011年12月17日開催 第6回公開講演討論会報告 https://www.jein.jp/jifs/activity-report/480-111217.html https://www.jein.jp/jifs/activity-report/480-111217.html

12月17日(土)に「シリーズ東日本震災にまつわる科学一第6回公開講演討論会」が、京都大学基礎物理学研究所パナソニック国際交流ホールにおいて開催されました。

今回の公開講演討論会では、まず松田卓也副所長(NPO法人あいんしゅたいん副理事長・神戸大学名誉教授)が前回の公開講演討論会「原子力をめぐる問題と現状」に関して、簡単なまとめを行いました。
その内容は、真鍋雄一郎氏(大阪大学助教)による「福島原発日記~若手研究者の視点」と、伊藤英男氏(東京大学助教)による「放射線から貴方の大切な人を守る基礎知識」に関してで、真鍋氏は日本には原子炉の過酷事故の専門家が少なく、世の「専門家」が必ずしも真の意味での専門家ではないことを指摘されたこと、また伊藤氏はネットでは国際放射線防護委員会に対する誤解が蔓延しており、たとえば内部被爆を考慮していないとするウソが流布している事情を指摘されたことでした。

ついで、丹羽太貫京都大学名誉教授(国際放射線防護委員)が低線量放射線の人体への影響に関して、詳細な科学的データを元に話されました。
最近の科学的知見によれば、低線量放射線の人体への影響は、たとえば物理学者が想像するような単純なものではなく、生物は幾重もの防護機構で守られていること、しかしこれはサイエンスの話であり、原子炉をどうするかはバリューの問題であり、それがごっちゃになっているのが最近の日本の問題であることを指摘されました。またテレビや国会で証言をした「専門家」が、知識が古く、勉強をしていないので、正確な知識を元に話しているわけではないことも指摘されました。

次に宇野賀津子氏(NPO法人あいんしゅたいん常務理事・ルイ・パスツール医学研究センター主任研究員)が、学術振興会の活動の一環として、福島県の白河市に行き、同氏の話を聞いた住民が、非常に安心して帰られたという逸話を話されました。

今回はさらに、京都大学の1回生の3人(杉野氏、伊藤氏、間浦氏)が、坂東・宇野を中心とした「低線量放射線検討会」で4月以降、毎週一度の勉強会を続けてきた成果(テーマは低線量放射線の人体への影響、風力発電、太陽光発電について)を発表しました。

休憩を挟んで行われたパネル討論では、司会松田、パネリスト丹羽、宇野、坂東昌子所長(NPO法人あいんしゅたいん理事長)で、会場からの意見も含めて白熱した議論が戦わされました。

<丹羽太貫氏>               <宇野賀津子氏>


<会場の様子>

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活動報告 Thu, 22 Dec 2011 13:31:16 +0900
2011年11月26日開催 第5回公開講演討論会等報告 https://www.jein.jp/jifs/activity-report/479-111126.html https://www.jein.jp/jifs/activity-report/479-111126.html

11月26日(土)に下記のイベントが京都大学基礎物理学研究所パナソニックホールにおいて開催されました。

シリーズ東日本震災にまつわる科学一第5回公開講演討論会

今回の公開講演討論会では、まず松田卓也副所長(NPO法人あいんしゅたいん副理事長・神戸大学名誉教授)が前回の公開講演討論会「EUのエネルギー事情」に関して、講演者である竹濱朝美立命館大学教授のスライドを基に、ヨーロッパ、特にドイツの再生可能エネルギー導入促進策としての固定価格買取り制度の説明を行いました。

ついで大阪大学大学院工学研究科の真鍋雄一郎助教が「福島原発日記~若手研究者の視点」と題して、世界のエネルギー事情、日本における原子力導入の歴史を説明しまし、さらには初期において原子核物理学と原子力工学が決別した事情について語りました。
福島事故の後、大阪大学では原子力工学は人気を失い、優秀な若者が集らなくなったこと、そのため、将来の廃炉に向けた人材が枯渇する懸念についても語りました。

次に、伊藤英男東大宇宙線研助教が「放射線から貴方の大切な人を守る基礎知識」と題して、主として国際放射線防護委員会勧告(ICRP)についての説明を行いました。世間ではICRPに対する誤解が蔓延していること、例えば内部被曝を考慮していない等のウソがネットなどで流れている事などを説明しました。

最後の講演は谷畑勇夫大阪大学教授の「福島近辺の放射線調査に携わって」の予定でしたが、谷畑氏の急病のため取消となりました。代わって石田憲二京都大学教授が「福島の調査に関わって」と題して同趣旨の講演を行いました。

パネル討論では司会は松田副所長、パネリストは真鍋、伊藤、石田、坂東昌子所長(NPO法人あいんしゅたいん理事長)、佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長)が参加して、会場からの意見も含めて白熱した議論が展開されました。その中では、高校生を連れて広島、福島の放射線調査を行っている工藤博幸先生(奈良学園)の経験談が紹介されました。

<真鍋雄一郎氏>               <伊藤英男氏>


<石田憲二氏>

<会場の様子>

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活動報告 Mon, 28 Nov 2011 02:03:28 +0900
2011年10月23日開催 第4回公開講演討論会等報告 https://www.jein.jp/jifs/activity-report/478-111023.html https://www.jein.jp/jifs/activity-report/478-111023.html

10月23日(日)に下記の2つのイベントが、京都大学基礎物理学研究所パナソニック国際交流ホールにおいて開催されました。

1)シリーズ東日本震災にまつわる科学ー第4回公開講演討論会
2)科学普及員研修会:JEINET 科学のウソ突破コース 第4回「EUのエネルギー事情」

今回の公開講演討論会では、まず松田卓也副所長(NPO法人あいんしゅたいん副理事長・神戸大学名誉教授)が前回の公開講演討論会「原子力とは何だろうか」に関して、簡単なまとめを行いました。
その内容は、講演者の井上信先生が日本物理学会のシンポジウム「物理学者から見た原子力利用とエネルギー問題」で話されたものと基本的に同様ですが、その内容は講演資料としてPDFファイルがアップされているので、興味ある方はそちらを参照ください。

ついで今回のメインテーマである「EUのエネルギー事情」について、立命館大学による竹濱朝美教授の講演が行われました。EU、特にドイツのエネルギー事情に関して、自身の調査に基づく詳細なデータをもとに述べられました。
ドイツは最近、脱原発を決めたのですが、それ以前にチェルノブイリ事故以来、風力や太陽光などの再生可能エネルギーへの転換をはかりつつあること。ドイツは政策により、現在はコスト的に高い再生可能エネルギーを奨励金などを利用することにより、その導入を誘導してかなりな実績を上げてきたこと。ドイツで再生可能エネルギーへのシフトが進み、日本ではそうならなかった理由は、技術の問題というよりは導入の仕組みの有無であることが強調されました。

休憩を挟んで行われたパネル討論では、司会を松田副所長、パネリストは、竹濱朝美教授、坂東昌子所長(NPO法人あいんしゅたいん理事長)、佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長)が参加して、今後のエネルギー問題に関して、会場からの意見も含めて白熱した議論が交わされました。
核融合の可能性はどうか、ドイツでは自分の家で作ったエネルギーを全部自家消費しても補助金がもらえるのはおかしいのではないか、再生可能エネルギーで雇用が増えたというが原発廃止による雇用喪失はどうか、ヨーロッパではチェルノブイリ以降再生可能エネルギーにシフトしたが日本ではなぜならなかったのか、核廃棄物の処理方法はあるのか、物理学者は原子力から手を引いたがそれでよかったのか、発電コストの試算はどうか、電源開発交付金は余っているので物理学者もその恩恵を受けている、原子力のそもそもの始まりは原爆であったがこれを食い止めることができなかった、日本でなぜトリウム型原子炉が開発されなかったのかなど、さまざまな議論が行われました。

<竹濱朝美立命館大学教授>


<会場の様子>

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活動報告 Tue, 25 Oct 2011 02:42:41 +0900
2011年9月11日開催 第3回公開講演討論会等報告 https://www.jein.jp/jifs/activity-report/477-110911.html https://www.jein.jp/jifs/activity-report/477-110911.html

9月11日(日)に下記の2つのイベントが、京都大学基礎物理学研究所パナソニック国際交流ホールにおいて開催されました。

1)シリーズ東日本震災にまつわる科学ー第3回公開講演討論会
2)科学普及員研修会:JEINET 科学のウソ突破コース 第3回「原子力とはなんだろうか」

今回の公開講演討論会では、まず松田卓也副所長(NPO法人あいんしゅたいん副理事長・神戸大学名誉教授)が前回の公開講演討論会「地震国日本のこれから 2011年東北地方地震の近畿地方への影響は」に関して、簡単なまとめを行いました。
そのポイントは、地震予知は困難であること、今回の地震のために岩盤が少し東西に引き延ばされて、近畿地方の直下型地震に関しては、危険性が少し後送りになったということでした。

ついで今回のメインテーマである「原子力とはなんだろうか」について、京都大学原子炉実験施設の元所長である井上信京大名誉教授が講演しました。
内容は、まず原子力の発展について、その発見から現代に至るまでの歴史が概観され、日本においても戦時中に原子爆弾の開発研究がなされ、ここ京都大学でも遠心分離器の研究がなされたが、ほとんどものにならなかったこと、つぎにウラン型原子炉ではない別のタイプの原子炉として、トリウム型原子炉の原理と将来性について述べられました。
昨今の原子力バッシングのために、若い学生の原子力離れが著しく、これからの原子炉の保守や廃炉に向けた人材の枯渇の懸念が述べられました。

休憩を挟んで行われたパネル討論では、司会:松田副所長、パネリスト:井上信名誉教授、坂東昌子所長(NPO法人あいんしゅたいん理事長)、佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長)が参加して、特に原子力の歴史が原爆から始まった点に関して白熱した議論が行われました。
旧ソ連の崩壊に伴い核技術者が発展途上国に流れて、そこで核兵器開発に寄与したが、日本でも脱原発に伴い、技術者が発展途上国に流れる懸念について触れられました。

<井上信京都大学名誉教授>


<会場の様子>

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活動報告 Mon, 12 Sep 2011 06:15:06 +0900
2011年8月7日開催 第2回公開講演討論会等報告 https://www.jein.jp/jifs/activity-report/476-110807.html https://www.jein.jp/jifs/activity-report/476-110807.html

8月7日(日)に下記の2つのイベントが、京都大学理学部セミナーハウスにて行われました。

1)シリーズ 東日本大震災にまつわる科学 ー 第2回公開講演討論会
2)科学普及員研修会:JEINET 科学のウソ突破コース 第2回「地震国日本のこれから」

今回の公開講演討論会では、まず松田卓也副所長(NPO法人 あいんしゅたいん副理事長・神戸大学名誉教授)が、前回の公開講演討論会のまとめを「低線量放射線の生物への影響」と題して30分弱報告しました。
その結論を一言で言えば、「低線量放射線は世間で言われるほどには怖くない。むしろ過剰に怖がることが、免疫力を低下させて、ガンにつながる」というものでした。

ついで、今回のメインテーマである地震について、当研究所所属の竹本修三主管(京都大学名誉教授 固体地球物理学・測地学)が「地震国日本のこれから~2011年東北地方地震の近畿地方への影響」と題して1時間ほど講演しました。
地震には直下型地震と海溝型地震があり、今回の地震は海溝型である。他方、阪神淡路大震災は直下型である。近畿地方では、今回の地震のために岩盤が少し引き延ばされたため、直下型に関しては、危険性は少し後送りになったと報告されました。

休憩時間中には廣田誠子(京都大学理学研究科)による、液状化現象に関するデモ実験が行われて参加者の関心を誘いました。

その後、行われたパネル討論では、司会松田、パネリストは竹本、坂東昌子(当法人理事長)、佐藤文隆(当法人名誉会長)が参加して行われ、会場の聴衆からも活発な質問、コメントが出され、有益な議論になりました。


講演まとめ
 

 

 

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活動報告 Tue, 09 Aug 2011 00:39:03 +0900
2011年7月3日開催 第1回公開講演討論会等報告 https://www.jein.jp/jifs/activity-report/464-110703.html https://www.jein.jp/jifs/activity-report/464-110703.html

7月3日(日)に下記の3つのイベントが開催されました。

1)シリーズ 東日本震災にまつわる科学 ー 第1回公開講演討論会
2)科学普及員研修会:JEINET(ジェイネット)「科学のウソ突破コース」第1回
3)基礎科学研究所開所記念懇親会

公開講演討論会では、内海博司京都大学名誉教授(放射線生物学)による「放射線はどれくらい怖いか・・低線量放射線の生物への影響最前線」、また宇野賀津子あいんしゅたいん常務理事(ルイ・パストゥール医学研究センター勤務・免疫学)による「がんの科学最前線:がんリスク軽減のための免疫学最前線」の講演が行われました。

その後行われたパネル討論は、司会:坂東昌子所長(あいんしゅたいん理事長)、パネリスト:内海博司京都大学名誉教授・宇野賀津子あいんしゅたいん常務理事・松田卓也副所長・佐藤文隆氏(あいんしゅたいん名誉会長)をパネリストとして行われ、時宜を得たテーマの下、参加者の関心も高く、会場の聴衆からさまざまな意見が出され、白熱した議論となりました。

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活動報告 Fri, 08 Jul 2011 05:07:46 +0900