2024年10月05日

キッズサイエンティストへ 続・湯川博士の贈り物第2回 原子の話(ブログ その172)

2022年2月の「続・湯川博士の贈り物」第2回「鉄腕アトムは宇宙へ  ~素粒子の世界を拓いた湯川博士~」は、原子の話でした。

この企画に子供たちにもっと議論に入ってきてほしい、そういう思いもあって、第2回の講師、萩野さんに相談したのが1月の終わりごろでした。

「第2回目の準備をそろそろしたいのですが、今まで熱心に参加してくれている子どもたちにZoomで話し合いの場を作って、大人と子供で司会をするってのはどうでしょうか。これは、私もかかわっているヒッポクラブのオープントラカレで、はじめて私も経験したのですが、とても活発で子供が元気で、好奇心溢れていて大人も一緒にファミリィで勉強しているのが何ともほほえましく真似して見たくなったのです。
参加する子供の候補者としては、まず今まで色々な行事に参加してくれた子供や、京大基礎物理学研究所の湯川展示室にも閲覧を申し込んだ子供たちで、ともかく始めてみてはと思います。そしてうまくいけば、だんだん増やしていけたらと思うのです」と相談しました。

萩野さんは、

「私もぼちぼち準備を始めた方がいいかなと思っていました。ヤングな人たちも交えて話し合いの場を持つというのは素晴らしいですね。ぜひお願いします。彼らの視点でどのような話を望んでいるのか、ぜひうかがってみたいです。」

と、すぐに賛成して下さったのです。萩野さんも京都府下の小学校で出前授業もなさっている方で、京大物理学教室の、原子核理論専門の方です。

まずは、あいんしゅたいんにも来たことがあり、いつもたくさんの質問をしてくれる、T君(湯川の贈り物から、コロナシリーズまで一生懸命参加していてくれる小学生 分光のことはよく知っていて驚いたものです)、I君(好奇心の塊、「下賀茂神社近くに湯川先生の記念館ができましたら行ってみたいです」と楽しみにしている中学生)、TY君(小学1年のころから親子理科実験教室に通い、和田昭允先生の作ったウロボロスのスケールを皆さんにプレゼントしたとき、この使い方をみんなの前で発表してくれました。わからないなりに一生懸命勉強し、親の助けも借りず独力で使い方をマスターした頑張り屋さんで、今は中学生)、Sさん(とても発想が豊かなお嬢さんで、よくあいんしゅたいんに教えを請いにやってきます。阪大の、Seeds(高校生用)にも参加して、生物細胞実験を高校生の身で、研究室でやらせてもらっている高校生)、の4人に声をかけました。もっとたくさん子供たちがいるのですが、まずは、少人数から始めてみようという計画でした。これに賛成する編集のお仕事をしている艸場さんも加わり、Zoomで相談会を開いていろいろ話し合ったのです。艸場さんは面白がって、子供と一緒に質問をいっぱいして、興にのっていました。

そして、

「キッズサイエンティストチーム(かってに名づけちゃいました!)のメンバーのみなさん、きのうの話を聞いて、なんで?と思ったことや、ふしぎに思ったこと、もっと聞きたいと思うことを、このメールで質問しておきませんか?もしかしたら、27日のサロンでは時間がなくてぜんぶに答えてもらえないかもしれませんが、たくさんの質問や疑問が、その次やその次のサロンのネタになるかもしれません。」

とさっそく新しい計画迄考えてくれました。こうして行われた第2回の「続湯川博士の贈り物」では、本当に子供たちが一杯質問し、興に乗って大人もそれに乗じて愉快に活発に議論ができて大成功でした。こうして、みんなで「あいんしゅたいん」のサロンを作っていければ、おもしろいですよね。

艸場(くさば)よしみさんは大いに張り切っています。こんどは3月の橋本さんの時にもまた相談会をして盛り上げたいと思っています。

面白いことに、その後も、萩野さんが「ヒトの体の中には、どんな原子があるか」を教えてくれたのですが、「なんでこんな原子があるの?」と疑問だらけ、

私は、

「生物は、ありふれた材料で作られる筈ですね。例えばダイヤモンドから作られていたら、すぐに材料がなくなって食べものがないでしょ。だから、一番ありふれた水素、炭素、酸素から主にできているんですね。で、過去の地球の元素の割合を調べ、どんな環境で生命が生まれたかを調べるとその関係がわかってくると思いますよ。だって、酸素なんて大昔は「ドク」だったんです。昔は、空気は大方炭酸ガスだったんですね。だから炭酸ガスと太陽のエネルギーで植物が大きくなれたのですね。でも植物がたくさん酸素を出し始めて、毒(化学的活性ですぐ他の物質にくっつきやすいものが毒ですね)が増えてくると面白いことに、この毒を利用してエネルギー(ATPというエネルギーの塊)を作る仕組みをうみだした動物が生まれたのです。動くってすごいエネルギーがいるのですよ。だから、地球の環境と生物の元素の割合と調べてみると面白いかもよ。」

といったのですが、いろいろ調べてくれて面白いです。

こんなやり方は、初めての経験でした。TY君やSさんもそうですが一番年少のT君も頑張ってくれてほんとに頼もしかったです。「I君は好奇心にあふれていて、いつも頭で一杯考えているのね。それで、時々人の話を聞いていないという状態になるのかな?(実は私もそういう癖がありますが・・・) 今度司会役をやると、人の話を聞かないといけないので、新しい訓練ができるかもよ。楽しみです。

橋本さんが4月の講師だから頑張ってください。「T君も光の話は得意だから色の話も含めて聞いてみればいいわ。光って不思議なことがいっぱいあるからね。原子に色がついていると思うような図がよくあるけどどうなのかな?」などとメールのやり取りも始まりました。もっとたくさんの子供たちで仲間を作って、キッズサインティストクラブを盛り上げ、子供たち同士でも議論ができると面白いなア、とうれしくなりました。たいと思っています。

年度末を迎えてブログがまた中断しました。遅ればせながら報告です。