今年の楽しい行事の紹介(ブログ その100)
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2013年5月21日(火曜)14:54に公開
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作者: 坂東昌子
5月も半ばになりました。やっといろいろな活動も始動しました。今日は2つご紹介します。
親子理科実験教室
2010年より実施してきた恒例の理学部セミナーハウスでの親子理科実験教室は、通算回数32回を数えました。
2013年も、京都大学理学部理学研究科と共催で始まります。第1弾は、この日曜日(5月26日)からです。ここでは、京都大学理学部の学生や大学院のお兄さん・お姉さんがグループごとについて、子供たちの好奇心を見守りながら指導してくれます。
シリーズ第1回目は、身の回りで活躍する「ゲル」がテーマです。「おっちゃん」とご自分のことを呼びながら優しくご指導くださるのは、工藤博幸先生(奈良学園中学校・高等学校 教諭)です。
工藤先生から、クイズが出されていますよ。
クイズ:次の中でゲルと呼べるのはどれ?
1)豆腐 2)コーラ(ペットボトル入り) 3)こんにゃく 4)ゼリー 5)食塩水 6)プリン 7)ようかん 8)グミ
こういうクイズを眺めていると、ゲルという液体でも固体でもないものが結構この世の中にありそうですね。他にもクイズを出されるようですが、興味深々、おたのしみです。
そういえば、思い出すことがあります。まだ私が愛知大学に勤めていた頃の話です。
愛知大学短期大学に食物科があり、そこにチャーミングな先生がおられました。私が愛知大学に就任したとき「もちろん、独身ですよね」と言われました。働くことと結婚することは両立しないと常識的に思っていた時代でした。当時、女性教員は少なかったのです。それもあって、よくみんなで私の家に集まり、おしゃべりをしたものです。もちろん、その時はみんなでご馳走を作って食べるのですが、あるときゼリーを作りました。いつもは、中に入れる果物は缶詰を使うのですが、「今日は特別だ」と思って、新鮮なイチゴやキューイなど盛りだくさんに入れました。
ところが、一向にゼリーが固まらないのです。ゼリー粉が足りないのかと思って、いくら入れても固まらないのです。あとで、この原因が果物の中のある成分が原因だとわかって、食物科の先生が「知っているはずだったのにね。すっかり頭から抜け落ちていたわ。」と失敗を悔やまれました。へえー、そうなんだ、とその時初めて知りました。
第2回(6月30日)は、こんなお話も出そうです。食品に使われているゲルについて、食べたり、作ったりもするということです。
今年は、ホームページの復旧に時間がかかり、お知らせが遅くなったので、まだ余裕があります。今からでも、申し込んでいただけると嬉しいです。
さらに、第2弾となる「夏休みコース」は、夏休み向けて、おなじみの自称「おとこまえ」松林昭先生とゲストの高見先生による「電気・磁気」です。過去に行った電磁気シリーズでたまった多くの「お役立ちメニュー」、これらは一部、開発した教材としてまとめています。
実は、これらを基にして、私と松林・高見の3人が組んで、e-ラーニング方式での教員免許更新授業の新しい教材を、「電磁気お役立ちメニュー」として完成させました。ここでは新しく小学校に出てきたコンデンサーの話や、電流による熱の発生の混乱などを解説しています。
「熱をたくさん発生させるためには、電流をたくさん流す必要がある。だから電線の抵抗をできるだけ小さくするのがいい」というのは本当でしょうか?きちんと理解していないと、誤解を招く言い方なのですね。
こうした現場でお役立ちメニューを、私たち3人が会話をしながら授業を進めるというユニークで飽きさせない教材だと自負しています。
この教材作りを踏まえて、今年の親子理科実験教室では、刷新した「電気のふしぎ、磁気の不思議」というテーマで行うのです。これまで既に受講したお子様にも、より深く多面的な理解へとつながると思います。電磁気は、社会人になっても、私たちの生活に密接につながるテーマですね。初めて受けても、繰り返して受ける場合にも、それなりに新しい発見ができると思います
高見先生は、若くて熱血先生で、松林先生とコンビを組んで楽しい授業になると思います。詳しくは案内をご覧ください。夏休みですので、東京や九州からでも参加する方が毎年いらっしゃいます。
サロン・ド・科学の散歩
科学技術機構(JST)に申請していた「サロン・ド・科学の散歩」が採択されました。
私たちNPOの付置機関である「科学研究所」が中心になって、みなさんとともに科学の散歩を楽しもうという企画です。
当NPO付置機関、基礎科学研究所の所員が意気投合して企画したもので、既成の分野にとらわれない分野横断型の話題をとりあげ、その道のプロが解説し、たっぷり時間をとって、心おきなく議論できる場を提供します。
大人用の企画ですが、小学生高学年以上なら楽しめるものではないかと思います。科学好きの大人と科学者の交流を深めたいとユニークな企画をしました。
内容は、情報時代の未来、可視化技術の最先端、天文学の談話など、参加人数は15人程度とし、相互交流を重視しますので、興味のある方はどうぞ申し込んで下さい。まもなく企画内容をホームページで紹介いたします。
大学の教科書や科学を普及する立場にある解説本や、インターネット上の解説にも間違いが多い。それらをめぐっての討論、天文学と市民の科学とのつながり、IT時代の科学の様相など、様々な話題を取り上げます。自由闊達な議論を通じて、参加者は「イエス・ノー」方式でない、科学のわくわく感を味わえると思います。いつまでも議論が終わらないかもしれません。たっぷり心ゆくまで議論する中で、なにが本当化を見分けていくのです。
当NPOにはいろいろなプロがいます。分野横断型の組織の良さを生かして集い、分野を超えた議論を重ねると新たな課題の発見し、さらには共同研究を成就させた経験も持っているユニークなNPOで、例えば放射線の生物学的影響が問題になると、生物学と物理学の交流が徹底的に始まり、とうとう新しい研究にも乗り出しました。得てして専門の狭い領域で閉じがちですが、この風をアカデミックの世界まで届けたい、そんな思いもあります。
詳しくは、ホームページで間もなくお目見えする予定です。ご期待ください。
そのほか、福島県外避難者や関心の高い市民とともに作った放射線解説「ホールボディカウンターってなに?」というパンフレットがこの3月に完成しました。このお話もまた別途ご報告します。
新しいホワイトハウスの事務所には、沢山の人たちが訪問して下さっています。交流の場として、これからの活動の活力を得る場として、皆さんのおいでをお待ちしています。