2024年10月08日

第51回:「はじめまして」by 森

はじめまして、この4月から理事に就任させていただきました、金沢大学の森 祥寛(もり よしひろ)です。

私はこれまで、鈴木恒雄先生とともに、金沢大学でICT教育推進に携わって参りました。
そのご縁で本NPO法人の理事として招いていただいたのですが、私自身としましては、そのような資格があるのかどうか、今もって分かりかねているところです。
※ 実際、大学院修了後、何をなしてきたのかと、振り返ってみても・・・う~んと首をかしげてしまいます。

それはともかく、この場は理事等が持ち回りで何かを書くことになっているそうで、普通なら理事となっての抱負のようなものを書いたり、これまでの経歴を書いたりするのでしょう。しかしそのようなものは、当たり前すぎて、全く面白くありません。

ということで、私自身のこととは何の関係もないことを書こうと思います。

この文章が掲載されるであろう日の直前、4月3日に、アメリカでApple社の新型端末「iPad(アイパッド)」の販売が開始されました。
※日本では4月下旬に販売だそうです。
言ってしまえば、これまでの「iPhone(アイフォーン)」や「iPodTouch」を大きくしたもので、大きくしたが故に新しい使い方が色々考えられると言う物なのでしょう。特にマスメディアでは、電子書籍用の端末として紹介されているニュースをよく見ます。

新しい技術が社会へ与える影響は、大変なものです。これはある日突然、世界の全てが変わるのではなく、ふと気がついたときには、その技術が無くてはどうしようも無くなっていたという感じで、私たちの周りに忍び寄ってきます。

近年で言えば、「eメール」「携帯電話」「インターネット検索」の3つでしょうか。
程度の差はあれ、それぞれの技術が無かったときと、現在を比較してみたとき、その活動や行動に大きな違いができていることに気づくはずです。そして、これらの技術が無かったときに戻れるかというと・・・・少なくとも私は戻れませんね~。
※ここでいう新しい技術とは、「ある時点におけるこの技術」というような厳密なものではなく、「eメール」であれば、それに関わる様々な技術や仕組み、インフラ等を総体的に指していると思ってください。

では、「iPad」は上記3つのような新しい技術になれるのでしょうか。
※ここでいう新しい技術というものは、特定の商品やシステム、或いはサービスに依存する物ではありませんので、「iPod」そのものが上記の技術に並ぶわけではありませんが、「iPod」に上記3つに並ぶようなものが内包されているか?ということですね。
単純に考えて、思いつくのは「電子書籍」ということになるのですが、う~ん。。。

今から10年後。。。。

誰もが皆、「iPod」のような端末で読書をする風景。通勤電車の中で文庫本を読んでいるサラリーマンが、「iPod」で読書をしている風景。子供が絵本でなく「iPod」をもって、お母さんに本読んで~、という風景。

微妙だ、微妙だけど、今から15年くらい前には、場所を選ばず、携帯電話を開いて、その画面を見ているような人が、巷にあふれるとは思わなかったことを考えると、決して無いとは言えないのではないでしょうか。

もしかすると、2010年4月3日は、電子書籍普及の転換点となった日として記録されるのかもしれません。紙の本が大好きで、自宅が本で埋まっているような私としてはあまり考えたくは無い光景です。