2024年10月05日

第54回:「文化の忘却?」by 小無

以前「おくりびと」という映画があった,先日TV放映もされていたからご覧になった人も多いかもしれない.
映画のストーリとは別に葬儀の手順が妙に気になった.日本では経験上仏式が多い.身内でもない限り,おくりびとの仕事を目にすることはない.もちろん少ない経験だが関西では映画で見られたおくりびと仕事を目にしたことはない.
映画では一般の音楽家がおくりびとに変わっていくのだがその変化がマニュアル化している.
ストーリの都合上そうせざるを得なかったのかも知らないが.

先日もテレビで韓国の結婚式を紹介していた.有名なタレントが結婚したそうである.
アナウンサー曰く「韓国では結婚式では次のように・・・」
韓国の結婚式が1種類な分けないだろうに,さもテレビで言っていることが普遍であるかのように話す.

メディアで公開されるとそれが一気に標準化する.歴史や文化の学習が不足すると標準化だけが全てだと思い込む人が多くなるのかもしれない.
日本でもネット上にはお布施の値段まで公開されている.戒名も「院」の字を入れるといくら,入れないといくらと一覧表で書いた寺院のページもある.初七日はいくら二七日はいくら,本葬と初七日を同じ日にするときは・・・
○○宗は△△宗よりお布施が高いなど,近所ではよく聞く噂だが,こうやって比較されるとお布施の額もそれほど差がつけられる物でもなくなる.こんな風に葬儀が商的になるとそのうちお布施にも税金がついたりするかもしれない.
団塊の世代は1年200万人,これらの人がネット上の値段で葬儀を営むと家族密葬で200万円.
従って動くお金が4兆円,消費税は??? 

今までは,宗教法人には税金がかからなかった.そのうち事業仕分けの対象になるのかな?
「全ての法人に税金を」このような選挙公約が出ないことを願いたい.

文化がマニュアル化して「商」化したときそこに税金がかけられ,文化があったことすら忘れられる日が来るのだろうと感じた次第.