2024年10月05日

低線量放射線と生き甲斐 - 不安・ストレスと天秤にかける

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生き甲斐と免疫

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低線量放射線の影響として、晩発効果が心配されています。その中でも発がんのリスク上昇が心配されています。がんリスク軽減のためには、がんの生き甲斐療法から学ぶことが多々あるのではと、その経験を紹介しましょう。

がんの生き甲斐療法から学ぶ

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がんの生きがい療法は、すばるクリニックの伊丹仁朗先生が、がん患者のうつを乗り越える心理療法として始められました。5つのヒントがあり、

1)自分が自分の主治医のつもりで病気や人生の困難に対処する
2)今日一日の生きる目標に取り組む
3)ヒトのためになることを実行する
4)不安・死の恐怖はそのままに、今できる最善をつくす
5)死を自然現象として理解し、今できる建設的準備をしておく

というものです。

ルイ・パストゥール医学研究センターでは、伊丹医師と20年以上にわたり学習会を開いて来ました。患者さんの合い言葉は「病気になっても病人にはなるな!」でした。

私のモンブランを探せ

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伊丹医師は1988年に7名のがん患者と共にモンブラン登山を実行しました。そのうち5名が現在でもお元気です。私のモンブランを探し、その目標に向かって生きる、努力するということが大事なのでしょう。

がん告知後の態度と生命予後

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これは乳がん患者を対象とした、がん告知後の態度と生命予後を調べた研究です。絶望した人の予後が悪く、ファイティングスピリットを持ってがんと対峙した人の生命予後がよいことが明らかにされています。

生き甲斐とがんリスク

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愛知がんセンターの研究では、生きがいを持つ人々や、決断力のある人のほうが、そうでない人に比べてがんリスクは低かったことが報告されています。また、ソーシャルサポートや結婚はプラスに働き、鬱や落ち込みはマイナスに働くことも明らかにされています。

笑いと免疫

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現在では、笑いが免疫機能活性化によいということはかなり受け入れられていますね。笑いが単なる気持ちだけではなく、色々な遺伝子発現にまで影響することが林先生等の研究で明らかにされています。
添付の図は、赤い程高く遺伝しが活性化していることが示されています。糖尿病の患者さんに食事後、1日は講義、もう1日は落語を聞いてもらって、その後の遺伝子の活性化を調べました。
詳細は今後の研究が必要でしょうが、明らかに、講義の時動く遺伝子と笑いのあとで動く遺伝子とは異なっていることが分かっていただけると思います。

ユーモアトレーニング

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伊丹先生達は生きがい療法の学習会でユーモアトレーニングを行っています。ヒトを笑わそうという努力、作り笑いでも笑った方がいいという結果が出ています。
右側の図は、がん患者さんを吉本へ連れて行って、大笑いした前後で血液をとり、ナチョラルキラー細胞の活性を測定した結果です。後で特に低い目だったヒトのナチョラルキラー細胞活性が上昇しているのがわかりますね。ナチョラルキラー細胞は、身体の中で生じた変異細胞の除去に重要な役割を果たす細胞です。これを強化することは、発がんやがん再発の防止にプラスに働きます。

シカゴ科学産業博物館と笑い

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また、シカゴ科学産業博物館にはパネルに写った写真のヒトがただひたすら笑っているコーナーがありました。さらにその向かいのパネルには、幸福というのはもらうものではなく、自分で努力して得るものですと書かれていました。生きがい療法の考えに通じますね。

イメージ・トレーニング

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生きがい療法の中で、イメージトレーニングもまた、免疫を強化するための重要な手段です。

イメージ療法と免疫

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イメージトレーニングは、ガイドテープを聴きながら(例えば海の波の音のテープ)自分自身の身体の中のがん細胞を免疫細胞が食っているイメージを描くのです。
右図は患者さん達が書かれたイメージですが、免疫細胞は魚として表現されています。これも、前後でナチョラルキラー細胞活性が有意に上昇することが明らかにされました。

化粧療法

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私たちは老人病院に入院しているおばあちゃん達を対象として化粧療法にも取り組みました。数ヶ月後には、インターフェロン産生能の上昇が認められました。

化粧療法による免疫活性化

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また、初回と最終回は化粧の前後で免疫機能を測ったのですが、ナチョラルキラー細胞活性、インターフェロン産生能共に有意に上昇していました。
特に若い男性化粧アーチストは特にもてました。若い人との会話を楽しみ、会話が増え、おしゃれになる!色々な効果が認められました。化粧というのも、女性にとっては嫌いな人は無いわけで、良い手段だと思います。

貧乏くじを打ち消す札

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先に、がんというのは、貧乏くじを引いてしまった人ががんになるということをお話しました。
しかし、一方では、この一連のスライドに示したように、貧乏くじを打ち消すくじも存在することを理解し、打ち消すくじを増やすようにしましょう。

不安・ストレスと天秤にかける

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福島では、放射線が心配されています。現在のような比較的低線量の放射線に対して、避難区域から遠く離れたところでも色々な意見があります。
一部の高濃度地域を除いて、境界域において最終的に避難する、しないという判断は、それぞれの人が色々な条件を天秤にかけ判断すべきものと考えます。もちろん、個人の判断を尊重し行政は出来るだけのサポートをすべきでしょう。

低線量放射能汚染問題で危険な事!

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東日本大震災そして、福島原発事故と続いて、今まで私達が経験したことのない危機に見舞われています。

福島の原発事故の影響は、数ヶ月から数年のスケールで様々な影響が及ぶと考えられます。時々刻々問題点は変わっていくでしょう。私達が今まで経験をしたことの無い問題も含まれていると考えられます。正確な情報に基づき、対応を考えていきましょう!ただ、その前に、恐れるべきは不確かな情報によるパニックです。正確な科学的情報をもとに、時々刻々変わる事態に対応していきましょう。

このスライドを利用される方へ

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東日本大震災、そして福島原発事故を目の当たりにして、幸い関西にいてこれらの影響をほとんど受けなかった私たちが「今何をすべきで、私たちに何ができるか」を議論した結果、研究者や科学教育に関心の高いNPO法人あいんしゅたいんの会員を中心に「情報発信グループ」を立ち上げました。

「日本大震災 ー 放射能の影響」シリーズは、同グループが発信する情報の1つです。急きょ作成したものですので、今後も皆様のご意見を取り入れつつ、よりよいものへと更新していく予定です。

従って、人にこの資料を紹介するときは、ダウンロードした資料を送るのでなく、リンク先を紹介するようにしてください。1週間もたてば、状況は変わります。私達も出来るだけ新しいデータをもとに適切な資料を作りたいと考えています。
http://jein.jp/ をチェックの上、最新版を使ってください。また、このファイルの一部を取り出して使用しないでください。本来の意図と違った形で、使われるのを懸念しています。


あいんしゅたいん情報発信グループ【担当責任者:宇野賀津子(常務理事)・坂東昌子(理事長)】