2024年10月05日

2010年第1回(通算第9回)科学交流セミナー

主 催:NPO科学カフェ京都、NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん
後 援:京都大学基礎物理学研究所
日 時:7月10日 午後2時~4時30分
場 所:京都大学基礎物理研究所パナソニックホール
演 題:シミュレーションで分子の世界を探る(約1時間30分)
    質疑応答(約30分)
講 師:諸熊 奎治(もろくま けいじ) 京都大学福井謙一記念センターリサーチリーダー 分子科学研名誉教授
参加対象:一般市民・学生
連絡先:NPO科学カフェ京都
    伊藤榮彦 075-821-1701(このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
    NPO科学カフェ京都ホームページはこちら
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この科学カフェの催しは、これまで基礎物理学研究所とNPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいんの世話人(国友浩・佐藤文隆・坂東昌子)が企画してきた科学交流セミナーの延長として企画されたものです。
この度、科学交流のネットワークの輪を広げ、より広い層の方々(市民・大学生・高校生など)を対象として、科学カフェ京都と共催で企画することとなりました。今後、時宜に応じて、科学カフェの定例会を基礎物理学研究所で行う機会が増えてくると思います。どうぞよろしくお願いします。
今回の講師は、諸熊氏は、1934年生まれ、理論化学ご専門で、ノーベル賞を受賞された故福井謙一先生の研究室で育った方です。早くから計算機を駆使した研究日本での計算化学の発展に貢献された方です。
1968年には、水の二量体の構造をab initio計算で予測した、分子間相互作用のエネルギー分割法の開発、固有反応座標の計算法、金属触媒反応サイクルのエネルギープロフィール決定計算法など、分子間のダイナミックスについてさまざまな分野で、多大な貢献をされました。分子反応ダイナミックスの可視化という意味でも、なかなか興味深いお話になると思います。
アメリカ合衆国エモリー大学名誉教授。 京都大学福井謙一記念研究センターリサーチリーダー、国際量子分子科学アカデミー前会長など、国際的な活動もなさっておられます。また、2008年度 学士院恩賜賞を受賞されました(授与理由: 分子の構造・機能・反応設計に関する理論的研究に対する優れた業績)

注:科学カフェは、大学名誉教授を中心に2004年に設立されたNPO法人です。
ここでは、双方向的講演会は月1回、寛いだ雰囲気のなかで、各方面の科学者の講話を聞き、自由に意見を述べ、質問する機会を提供しています。いてお話をきき、参加者と一緒に議論や意見交換を行っています。すでに例会は60回を越しており、 科学(15)・技術(14)・生命科学(13)・社会科学(11)など、多方面の分野の講演会を開いています。
科学カフェ趣旨書には、

「現在、世界の科学技術の進歩には目を見張るものがあり、その現状を把握することは、それを専門とするものでさえ戸惑うほどである。まして一般の人々には、極めて困難であると言わざるを得ない。いっぽう科学技術は、豊かで健康的な人間社会の構築と、持続可能な発展のために、極めて重要な要素の一つであるとの認識は、世界の国々が既に共有するところである。また、科学技術は単に物質世界への貢献のみならず、芸術や文系諸学問とともに、人類文化の両輪を担い、人類の世界観・人間観に革命的な変化をもたらしてきた側面を持っている。このように我々の生活に大きな関わりをもつ科学技術について、国民自身がよりいっそうその素養と感性を身につけることは、強く推奨されるべきである。それにもかかわらず、昨今の日本においては、科学離れ、理科嫌いの傾向が強まりつつあると指摘されている。我々の開催する「科学カフェ京都」は、この現状を打開する一助として、専門家の話と、それに対する一般聴衆の忌憚のない意見開陳、質問を双方向的に交わし、議論を戦わせることによって、相互の理解を深めようとするものである。なお、この科学カフェは、単なるサークル活動をして位置づけられるべきでなく、英国で始まり、フランス、イタリア、米国、シンガポール、ブラジルなどの諸国で展開されつつある、2004年版科学技術白書でも紹介されているCafe Scientifique運動の考え方につながる国際的運動の一環として位置づけられるべきである。」

とあります。
以上の中でも科学物理に関係する講演会については、あいんしゅたいんとの共同企画とし、基礎物理学研究所にもご協力を得ることにしていきたいと考えています。
是非ご参加ください。