「We love ふくしま プロジェクト」2014 レポート 1
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2014年9月25日(木曜)21:00に公開
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作者: 宇野賀津子
『We Love 福島2014』in 伊達、南相馬、郡山 byTEAM若者力(チーム・わかものぢから)
報告:宇野賀津子
かねてより思っていた、「チームで福島に行き、放射線に対する不安感の強い方々と意見交流する!」という願いは、今回やっとかなえられました。これまで、私は何度も福島に行ってお話をしていました。そして今年の2月には坂東さんと、5月にはさらに角山さんも加わり行ったのですが、今回のような学生も一緒にという企画は初めての経験でした。「多様な層、多様な専門家でお話したい!」との思いが叶えられた3日でした。
2014年8月4日、1日先に福島入りした坂東さんと宇野は福島県庁にて県民健康管理課及び被災者支援課に今回の企画の紹介とご挨拶、今回のプロジェクト用に、大日本住友製薬さんの助成を得て更新版を作成した、ベクレル→シーベルト換算シートを紹介しました。その後福島高校に行き、昨年、ルイ・パストゥール医学研究センターに来られた学生さんと再会、スーパーサイエンス(SSH)担当の原先生ともお話しました。5日、再度坂東さんと私は福島高校に行き、SSH事業による研究について学生さんから研究の概要をお聞きしました。
8月5日12時、京大4回生の間浦君、修士課程院生の新宅君、東大助教の鳥居さん、京大助教の角山さんと合流、角山さんの運転する車で、伊達市へ、山形から帰られたお母さん方を含め色々な不安を抱えた方達を対象にお話しました。最初にハンドマッサージ、私がお話すると坂東さんが横からチャチャを入れる、「あんた本当にそう思っているの!」、その後角山さんがα線、ベータ線、γ線の違いや遮蔽の実験を紹介しました。また、最後に野菜やお茶の抗酸化能を実感する実験を紹介、子供たちも見学、中には夏休みの宿題にやろうと言う声も聞かれました。
間浦、新宅君は子供担当、浮沈子、スライム、フィルムケース爆弾と子供達を飽きさせないように大活躍です。子供たちが楽しそうだとお母さん達も安心して、お話を聞いてくださるようです。保育ボランティアも入ってくださり、事前に連絡してあったこともあり、あいんしゅたいん応援隊の方々も聞きに来てくださり、30人ほどの方にお話しました。
終了後、南相馬市に移動し、市教育委員会にご挨拶、翌日お話する「子育て支援センター」を下見後、園長先生宅でお母様の地元料理をごちそうになりました。
8月6日
南相馬あずま子育て支援センターにて、子育て中のお母さんとお話し、お子さんが前日より少し小さかったので、より対話型でお話しました。まず、ハンドマッサージを宇野が紹介し、ペアになって実施しました。そして坂東さんが参加者の不安に思っていること、知りたい事をお聞きするところから始まりました。角山さんはホットスポットの土を使って、α線、γ線の紙や園庭の砂による遮断実験を紹介、放射線と賢くつきあっていくことの必要性をお話しました。遊戯室にあったビニールプール(細胞)と、スイカボール(細胞核)と少し小さなボール(γ線)を使って「現在の線量だとこのプールに小さなボールを投げ込むような物で、遺伝子のある核には放射線が直接はなかなかあたらないでしょう」の説明に、お母さん方もなるほどと納得してくれました。また、角山さんは2ヵ月前に視察した福島第一原発の現状を説明、それに鳥居さんが補足して話しを進めました。ここは小さな黒板に絵を描いて説明しましたが、より身近に理解していただけたようです。
午後 浪江町経由で郡山へ
夜郡山にて、未来都市郡山を創る会のかたがたと意見交換、郡山市長も参加頂きました。学生の二人は、品川郡山市長に浮沈子を披露、楽しんでいただきました。
8月7日
午前湖南町の移動保育所に行き保母さんとお話、子供達は、同じ部屋で、お兄さんの実験に見入りました。保母さんからハンドマッサージをしながら気になっていること、不安なことを聞いて、それに答える形でお話しました。
郡山市湖南町のこの場所は線量も低いので、角山さんが保育室の空気を集めて線源とし、自然の放射線の存在や、遮蔽の話をしました。
午後
ちびっ子うねめ祭り会場から少し離れた会場で、雨の影響もあって、会議室での話あいとなりました。チームあいんしゅたいんを訪ねてきてくださった養護教諭の方々、郡山在住のナリス化粧品のボランティアの方々、未来都市郡山を創る会の方々と対話型意見交換会となりました。特に甲状腺がんに関して、色々とお話しました。ここでも、角山さんの実験に鳥居さんがコメントするという風景がみられました。参加者は専門家の間でも、少しずつ放射線に対する考え方が違うこと、でも皆今の福島の放射線量なら、そこで生きていて問題ないと思っているということが通じたように思いました。今回のように、少しずつ専門の異なる専門家や、多様な年齢層のチームで不安感をもった方々と
お話しするのが、より深く理解するための近道と思いました。
学生のおもしろサイエンス、角山さんの実験、はとても評判がよかったです。ベクレル→シーベルト変換シートも皆さん喜ばれ、今の福島でも100ベクレル/kg のものを毎日1kgずつ食べるのは不可能ですね、ということになりました。
シート印刷の費用の多くを支援していただいた大日本住友製薬さんに、深謝します。