ララ・フェビアン(Lara Fabian)とプレアー
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- 2012年7月09日(月曜)12:53に公開
- 作者: 松田卓也
ララ・フェビアンはベルギーの女性歌手である。1970年ベルギー生まれで、父はベルギー人、母はイタリア人である。オランダ語、フランス語、イタリア語は当然として英語も自由に話す。父はプロのギタリストであり、ララは8歳からブリュッセル王立音楽学校で、ピアノ、ダンス、クラシック音楽を学んだ。その後、いろんな音楽祭で入賞する。後にカナダに移りそこで音楽活動を始めた。そしてヨーロッパでヒットして成功を収める。フェビアンはとてもダイナミックな歌声をもっている。金髪、彫りの深い顔、整った大柄の肉体と、典型的な「白人の美人女性」のイメージがある。
次の歌はよく知られたアルビノーニ作曲の「アダージョ」に歌詞をつけたものである。英語の歌詞とイタリア語のものがあるが、下記には英語版を示しておこう。この曲は彼女の十八番でいろんなところで、歌っている。内容は女が男を想う恋の歌である。彼女の声も振りもダイナミックそのものである。このビデオはウクライナで歌ったときのもの である。ただ、ただ、パワフルの一言である。ここまで想われると男は怖い。
"Adagio”
I don't know where to find you
I don't know how to reach you
I hear your voice in the wind
I feel you under my skin
Within my heart and my soul
I wait for you
Adagio
All of these nights without you
All of my dreams surround you
I see and I touch your face
I fall into your embrace
When the time is right I know
You'll be in my arms
Adagio
I close my eyes and I find a way
No need for me to pray
I've walked so far
I've fought so hard
Nothing more to explain
I know all that remains
Is a piano that plays
If you know where to find me
If you know how to reach me
Before this light fades away
Before I run out of faith
Be the only man to say
That you'll hear my heart
That you'll give your life
Forever you'll stay
Don't let this light fade away
Don't let me run out of faith
Be the only man to say
That you believe, make me believe
You won't let go
Adagio
次は以前に紹介したプレアー(The prayer)をアメリカのマイケル・ボルトン(Michel Bolton, 1953-)と歌っている。マイケル・ボルトンも以前に紹介したが、アメリカでハード・ロックの歌手としてスタートしたが、後にシンガー・ソング・ライターになっている。ちなみにこのビデオでは司会とピアノはディビッド・フォスター(David Foster)で、彼はカナダの音楽プロデューサーである。セリーヌ・ディオン、ジョシュ・グローバンなどを見いだした。ボルトンはハンサムで高音が魅力的である。その美声は並のロック歌手といっしょにはできない。
次もララ・フェビアンの十八番であるカルーゾ(Caruso)をどうぞ。このビデオもフォスターがピアノを弾いている。これもダイナミックとしか言いようがない。「ワオッ」である。そのイタリア語の歌詞と日本語訳はここをどうぞ。
エンリコ・カルーゾ(1873-1921)はナポリ出身の有名なテノール歌手である。病気でアメリカから故郷のナポリに帰り、ソレントのホテルでなくなった。作詞、作曲はルチア・ダルラ。 舞台はイタリアのナポリ湾に面したソレントである。死に瀕したカルーゾは、アメリカでの栄光の公演の日々を思い出し、目の前の若い女に向かって歌うという設定であろう。それを知らないとララ・フェビアンの劇的な演出が理解できない。カルーゾ自身の歌う サンタルチアをどうぞ。1916年の録音で、1934年に電気的に変換された。
この曲はアンドレア・ボチェッリ、パバロッティなど有名な歌手がカバーしている。彼らがオペラ的に歌っているのは、そもそもカルーゾがオペラ歌手だからだろう。
ここではカナダの女性歌手セリーヌ・ディオンと、フランスの歌手フロレント・パクニィ(Florent Pagny, 1961-)のデュエットでどうぞ。パグニィはオペラ歌手ではないが、なかなかすごい声をしている。彼はフランスの歌手であるが、税金逃れのためにパタゴニアに家族とともに移住したという。
先に紹介したプレアーであるが、私はアンドレア・ボチェッリのものが好きである。いろいろ調べているとおもしろいものを発見した。アメリカの歌手キャサリン・マクフィー(Katherine McPhee, 1984-)とデュエットしているものである。マクフィーはアメリカン・アイドルでデビ ューしたポップ歌手である。ちなみにここでもフォスターが司会とピアノ演奏をしている。特に最後の高音の部分に注目。マクフィーは一息入れているにもかかわらず息切れしてしまって、途中で止めているが、ボチェッリはお構いなしに、歌い続けている。この息の長さは瞠目すべきものである。もちろんマクフィーがダメとはいえない。大した歌手である。しかしアンドレア・ボチェッリがすごすぎるのである。アメリカン・アイドルのコンペティションにボチェッリとフォスターがゲスト出演して、彼女の才能を認めたのが、彼女の運の付き始めである。彼女は学校では学習障害で「きれいだがアホな女生徒」と思われていたそうだ。
しかし私はこれも以前に紹介した、ヘザー・ヘッドレーとボチェッリのプレアーが一番好きである。ヘザーの口の大きさに感心する。ヘザーは最後の部分を、なんとかボチェッリについていったことを、歌い終わった後で安堵している様子がありありである。ヘザー・ヘッドレーとセリーヌ・ディオン、どちらが良いかは好きずきであろう。