2024年10月05日

LDMセミナー>今後の方針討論

日  時:2012年9月28日(金) 13:00~15:00
場  所:可視化実験室
テ ー マ: 「今後の方針 エネルギー問題に向けて」
     「避難者の会合報告」
話題提供:坂東・土田・艸場


この日のテーマですが、これからどのようにセミナーを行っていくかを相談します。

この11月18日には、物理学会京都支部と共催でエネルギー問題の講演会を行います。今までいろいろ勉強してきたことを基にして、少し整理して、講演者である澤・長谷川両氏に疑問をぶつけ、事前討論をしておきたいと思っています。それと、間もなく新しいプロジェクトが立ち上がる可能性があるので、低線量検討会のみなさんとの勉強会を、今後どうしていくか相談します。次の「大人の科学教室」の相談もします。
この間セミナーは中断していたのではなく、「大人の科学教室」のために何度か相談会をやったり、福島から避難された方々に低線量放射線の影響について説まいし懇談する会に、艸場・土田・一瀬・坂東の4人で宇治市役所福祉会館に出かけていろいろと新しい現実にも出くわしました。この時思ったのは、科学者のデータに基づいた説明(これは一瀬さんがしっかり押さえてくださり素晴らしい資料集を作ってくださいましたが、それを説明いただき、それに加えて、艸場・土田のお二人の市民の目線での説得力のあるお話が大変よかったです。

一瀬さんのリサーチ力のは、前々から敬服していたのですが、艸場・土田、このお二人を見ていると、よく勉強され、肝心なところを抑え、しかも市民の目線からお話されるので感銘を受けました。いつの間に、こんなに幅広く、そして深く理解されていたのか熱意と愛にささえられた蓄積というものは、素晴らしい宝物なのだなと思いました。
福島からの避難者を組織されているリーダー、伊藤早苗さんも、はじめてこの可視化実験室を訪問されたときには放射線の基礎知識もお持ちでなく、「毎日、私の体の中で悪魔が大きくなっている夢を見る」というようなことをおっしゃっていましたが、見違えるようにたくましくなられ、皆さんを支えて「勉強しないといけませんね」と説得されています。
こうしてたくさんの方々が、グングン成長していかれるのは、私は感心しているばかりです。先日の会合の時、避難者の1人が「そういえば、福島事故以後、今まで癌患者だったひとが、元気になられたという話が結構あありますが?」といわれたので、私は、最近論文にした放射線の生体リスクモデル(この研究会から生まれたのでLDMモデルと名付けました)で、計算すると分かるのですが、放射線は、正常細胞もやっつけますが、がん細胞もやっつけます。ピエール・キュリー(マリー・キュリーの夫)は、このことにいち早く気が付き、がん治療に放射線が使えることを提案し、積極的に働きかえたのです。そして自ら、ラジウムを自分の腕に張り付けて(今だったら違反行為です。びっくりです。ラジウムは厳密に管理されていますからね)て、実験したくらいです。(ちなみに、ラジウム1グラムの放射能力は1キュリーです。これって360億ベクレルですよ!今、大騒ぎしているのでは1Kgの食品が、10ベクレルを超えたかどうかなとど言っているのと比べると、目を回すでしょ?)実験したんだそうです。
この日は、間浦くんが故郷でとれた梨をいただいているので、みんなで食べます。(別途、「大人の科学実験教室」のときに、水野君(京大医学部2年)がお土産を持ってきてくださいました。本当はこれもセミナーまで置いておいてもよかったのですが、実験教室の後片付けを手伝ってくださった皆さんに、おすそ分けしてしまいました。水野君、ありがとうございました。)