親子理科実験教室の経験(ブログ その103)
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2013年6月17日(月曜)15:16に公開
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作者: 坂東昌子
あなたも科学普及員の研修生になりませんか?
1.親子理科実験教室のアシスタント
当あいんしゅたいんと京都大学理学部との共催で行っている親子理科実験教室では、ご存じのように、京都大学の学生や大学院生が実験教室のアシスタントとして、子どもたちの相談にのったり、実験のサポートをしています。
実験教室に集まったおよそ40名の子供さんを7グループに分けて、1人ずつ配置されます。この事業で、理科教育に関心を持つ学生・院生が実験教室の中で色々な体験をしていくということです。
このアシスタントのしくみが、今年度少し変わりました。当あいんしゅたいんが、親子理科実験教室アシスタント体験というかたちで業務の一部を行うことになったのです。そこで、これまで、TAと呼んでいましたが、大学に内にあるTA制度と区別するために、AT(Assistant Teacher)と呼ぶことにしました。
ATの方々は、研究だけでなく、科学教育にも関心を持ち、将来科学者として社会に連携した活動をするための力量を養っています。
分かりやすく教えること、易しく科学を伝えること、そういう経験を積みながら成長していきます。また、科学教育に関心をもって、実際に学校の先生になられた方も何人かおられます。このように、科学と社会をつなぐ1つの場を提供していることに、私たちはとても誇りを持っています。
2.科学普及ネットワーク
この親子理科実験教室では、私たちが大変魅力を感じたベテランの先生方にお願いして、講師をしていただいております。
ATの若い人のなかにも、子どもと一緒に参加いただいているお父さんやお母さんのなかにも、「ああ、このようにして物事が分かっていくのか」と教えられることはたくさんあったという声を聞いております。お父さんやお母さんが、メモを取っておられる姿に頼もしいものを感じることもしばしばです。時には、私たちの知らない知識をお父さんやお母さんが披露してくださることもあり、教える側の先生方も、私たちも、とても勉強になります。
こうした子どものまわりの方々が、これから科学を普及する側になってほしい、そうすればもっとたくさんネットワークを通じて科学好きの子どもが増え、ひいては大人も増えていくのではないかと思うのです。
特に2011年3月11日以後、私たちは科学的にものを見ることが、みんな1人1人にとってとても大切なことを身に染みて知りました。人の言うことをそのまま鵜呑みにし、自分でしっかり考えないことが、どんなに社会的な混乱を巻き起こすか知りました。
みんなでわからないことを議論し、探求し、調査して、明らかにしていくことが、とても大切なことを実感しました。
私たちが科学普及員研修会(通称:JEINET)を始めたのは、こういう気持ちがあったからです。そして、今までに幅広い研修生が集まってくださいました。
中でも、これらの経験をまとめた「"科学を広めたい"を応援する」2011年度科学普及員研修会報告」に詳しく書いてあります。
3.あなたも教える側になってみませんか?
ところで、せっかくのAT体験をお引き受けした機会に、ATとこれまでの研修生による新しい企画の「親子理科実験教室」を構築してみようということになりました。今まで、教えたくてうずうずしていた人も多いと思います。
そこで、JEINETはそういう皆さんの研修の場を提供いたします。どうか関心のある方、申し込んで下さい!そこで研修を行い、一定の評価を得てから、教える側としての資格を得て体験していただきたいのです。
4.JEINETの新規格に加わってください!
今年度は、実践の場として、当あいんしゅたいんが行う親子理科実験教室やこれから企画する「大人のための科学教室」などの企画を検討し、完成してもらいます。もちろん、この作業はグループを組んで行います。そのグループで初めからすべて計画し、実際に運営してみるのです。
今年度は、試しに秋の「親子理科実験教室」を1つ、この研修会のなかで企画実行してみたいと思っています。そこで、そのためのグループ結成に向けた研修会を7月1日に行います。
7月1日の研修会:http://jein.jp/jeinet/course/815-130701.html
この日は、「こんな講座を開いてみた」というアイデアを持ってきてください。秋に講座を全部責任を持って企画するということは、40人を超える子供たちを惹きつけながら、しっかりした科学教育の内容を伝える必要があります。それには、ある程度原案が出ていないといけません。それに基づいてしっかりした準備をする必要があります。
1)テーマとその狙い
2)具体的実験構築と時間配分
3)実験材料一覧表と予算
をどのように組み立てていくかが準備されなければなりません。それなりの評価を得るには、相当の準備が要りますので、準備をしっかりやりたいですね。
今年度の実践コース研修会として、既に次の行事が出ています。
6月23日:http://jein.jp/jeinet/course/817-130623.html
5.7月1日研修会に向けて
秋の「親子理科実験教室」のテーマですが、例えば、次のようなテーマだと、昨年一応経験があるので、できるかなと考えています。
1)放射線
● 霧箱をつくって放射線をカウントする
● 放射線測定器を使って色々なところで測る
● 放射線の種類(α・β・γ)の区別を目に見える形で教える
昨年、各テーブルに置く滑り台を購入しました。
これは力学にも役に立ちますが、あれを使って、α・β・γ線を可視化するのはどうでしょうか。滑り台の落ちたところに細胞の模型(小さなボールかペットボトルの蓋のようなもので作る)を置き、そこに大きなボール(α)とか小さなボール(β)を落として、どれだけ細胞に影響を与えるかというシミュレーションも面白いかなと思っていますが・・・。工夫はいくらでもできますよね。下に置くのは、この間作ったスライムでもいいかなあ。そうすると磁石を落として引力が働くようにもできますね。
ちょうど、6月23日(日)、当NPOと光華高校の連携授業(SPPプログラム)がRIセンターで開かれます。それにも研修という形で見学しながら、アシスタントの役割を果たしていただけるといい訓練の場にないますので、光華高校にお願いしています。参加簿希望の方は人数に制限がありますが申し込んで下さい。ここでしっかり放射線の「実験教室」のアイデアがアイディアがわくと思います。
2)光・音
光の3原色と色の3原色の違いをうまく説明できると面白いですね。音の基本はなんでしょうか?ちょっと考えると面白そうです。
色々と考えられると思います。考えることが増えるような、そんなものをやってみたいですね。
3)天文
今年は天文の科学サロンを当NPOが開設します。「サロン・ド・科学の散歩」を始めます(JST採択企画)ので、その場を使って、何かアイデアを考える手もありますね。
もちろん、新しいアイデア大歓迎です。たとえ今年の親子理科実験教室には1テーマしかできなくても、今後いろいろな企画があります。また、来年の実験教室に向けて準備するのもいいですね
★ 秋には、物理学会と共催で「大人の科学教室」を開く予定です。
★ 放射線内部被ばく検査をするホールボディカウンター勉強会も企画(詳しくは別途お知らせします)。