2024年10月04日

第75回:「輪講の盛況」by 手塚

ここのところ職場が輪講ブームの様相である。

数年前、IT企業で働く会社員の間でプログラミングや情報技術について学ぶ会が盛んに開かれ、“空前の勉強会ブーム”と言われていたようなのだが、僕のまわりにも若干遅れてブームが到来したようだ。

もちろん、職場は大学ということで内容は研究寄りである。参加している勉強会のひとつではマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)、もうひとつではノンパラメトリックベイズを扱っている。

MCMCの勉強会を主催されている教授が印象に残ることを言っておられた。

「私が学生の頃、授業で何か学んだというのは恥だった。皆、自分で調べたり、輪講で学んでいったものだ」

そもそも今回の輪講が始まった発端は3回生の留学生がMCMCの有名なサーベイ論文を読みたいと言ってきたことだったらしく、学生が主体的に学んでいることを大変喜ばれている様子である。

研究室間の敷居が低いため、いろいろな所から人が集まってくるのはこの大学の良いところかもしれない。夕方から夜半まで、お菓子など持ち寄って親しみやすい雰囲気で開催している。

ノンパラメトリックベイズの方の勉強会は二泊三日の合宿まで行われることになった。学外からも参加希望があり、関心を持つ人の輪が広がっている。

学生主体の勉強会も良いものだと思うが、教員が楽しく研究に取り組んでいる様を見てもらうことが学生に一番良い影響を与えるのではないかとも思えてくる。