第67回:「iPad NextからのMessage」by 小無
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2010年9月12日(日曜)22:29に公開
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作者: 小無啓司
iPadのアプリをいろいろ試している.まだまだ売り出し直後でこれといった役立つアプリがない.
それぞれのアプリが自己主張をしているだけで,連携がとれない.これもアプリ作成の基準作成ソフトを使って開発業者が簡単に作れるものから作っていこうとしているためだと思われる.またアメリカで人気のあるアプリを単に日本語化しただけのものもある.
軽量のノートパソコンを外出時に携帯している人たち向けにはMobilePCとしてiPadがそれ以上にどのような利点や魅力があると考えて売ろうとしているのだろう.
売り出してみると新しい使い方は一般人が考えてくれるという方針なのだろうか.ゲーム業界はお宅が考え出す裏技がゲームの進化を導いたという話もある.その手法を採ろうとしているのだろうか?
とくに会社の方針(噂によるとCEOの方針)によると思われるがAdobeのFlashで作成した動画が初期設定では表示できない.
いま色々なところでFlashを表示できるアプリケーションを作成中と聞いている.
Appleに技術力がないとは思えないが表示できるようには設定されていない.
これは商い的には意味を見いだせないことで,世界の標準になっているものを排除しようとしても結局排除しきれない.
この例ではiPadにFlashを表示するアプリを開発している会社を利するだけで意味がない.実はそういったアプリの開発会社にも儲けを回そうとしてわざとFlashを表示できないようにしたのかと勘ぐりたくなる.
その昔NextというPCを作ったときにも,「CD-ROMは死んでいる」と言ってNextにCD-drive を付けなかった.結局CDの標準化を止められるはずもなくNextはあえなく撃沈し会社を買い取ったCANONもお荷物を引き受けただけという結果を生んだだけだった.
以前の技術を排除するにはそれ以上の人気が出る技術を持ち込まないといけないのだが,ひょっとしたら何かあるのかと不思議な気がしてくる.
我々は科学技術の可視化に取り組んでいるが,それを広めるためにはどうしても一般に広まっている機械の使用を考えないといけない.その機械の仕様の方針が不確かだとどうのように使用できるのかが見えてこない.「使用法」が「仕様」に振り回される結果になる.
その結果今まで多くの人々が苦労して蓄積してきた教材の資産が無駄になる可能性がある.それらを無駄にしないための技術の開発や仕様の一貫性がNPOの仕事の一つではないかと考えているのだが,先は長い・・・・