世界征服計画 その19
19. 御用学者論争
「トリウム型原子炉がいくらウラン型原子炉より安全だと言っても、原子炉は原子炉です。原子炉が壊れると、放射性物質が出る。放射性物質からは放射線が出る。放射線は人体に悪い。どんなに弱い放射線でも人体に悪い影響があるのです。だからトリウム型原子炉といえども怖いはずです。日本に設置するのは反対です」
と僕は言った。それにたいしてバルカンは応じた。
世界征服計画 その18
18. トリウム型原子炉計画
「それは通商産業大臣である俺の領分だ。俺は大阪湾を囲む一体を、コンピュータを含む一大ハイテク産業基地にしようと考えている。大阪湾はシリコン湾、淡路島はシリコン・アイランドという名前にしようと考えている。そこでは人類補完計画に至る道筋に必要なウエアラブルコンピュータや、その他、諸々のハイテク製品を作る。それを関空に運んで、そこから航空貨物として出荷する。世界中に売りまくるつもりだ。関空の滑走路は深夜も使える。深夜は滑走路2本とも忙しいぞ」
世界征服計画 その17
17. 僕が神々に認められる
ビーナスの会議修了宣言に伴って、神々は解散した。かれらは自室に戻ったようだ。ビーナスは僕に向かって
「ビーナス神殿にあなたの寝室を用意してあります」
といって、僕の手を引いて連れて行った。なんか少しイヤな予感がした。神殿に入るとビーナスは僕を寝室に連れて行った。そこでまたするすると衣服を脱いで全裸になった。
世界征服計画 その16
16. マーズの話
ビーナスに促されたマーズは一同を見渡した。マーズはビーナスの愛人である。二人の間にできた子供がキューピッドだ。マーズはこんな席上であるにもかかわらずギリシャ風の甲冑とヘルメットを着用して、剣を腰に差していた。顔はひげもじゃのおっさんという感じであった。
世界征服計画 その15
15. ポセイドンの話
ポセイドンは手もみをし、うれしそうに笑いながら話し始めた。
「ふっふっふ、いよいよワシの出番じゃな。待っておったんじゃよ。ワシの壮大な計画を話そう。ワシの計画の骨子は海洋国家『大和』の建設と、島嶼国家の利用じゃ。まず大和の話から始めよう」
世界征服計画 その14
14. マーキュリーの話
「それでは我々の作戦についての一応の説明はついたので、次にはもっと具体的な作戦実施計画について、商工大臣マーキュリー(ヘルメス)、海洋大臣ポセイドン、防衛大臣マーズも交えて協議しましょう」