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ゴメンナサイ!間違いの訂正・・・ルクレチウスの素晴らしい詩について(ブログ その102)

先の日曜日(2013年5月26日)、今年度初めての親子理科実験教室(通算33回目)が開かれました。そこでのあいさつで、私は、

「物質の状態は、大きく分けて3つあるんですが、何か知っている?」

と聞きました。そうすると、

「気体、液体、固体」

と子供さんが答えてくれました。それで、

「すごいなあ、でもさ、なんでこんな3つの状態があるのかなあ」

というお話をしました。

「すべてのものがアトムからできているということを考えるとよくわかるんだよ。同じ物質でもアトムが詰まっているとアトムは身動きがあまりできない。これが固体。それが少しスカスカになると少し自由に動けます。これが液体。もっと自由に動き回れるぐらいスカスカだと気体なのです。
でも、アトムって小学校で習いませんよね。でもさ、アトムってものを考えたのは、実はルクレティウス(ラテン語: Titus Lucretius Carus, 紀元前99年頃 - 紀元前55年)で、今から2000年以上も前の人だったのです。この人の書いた『物は何からできているか』という長い長い詩があって、それを読むととても感動します。
この詩を子供用に訳したのは『宇宙をつくるものアトム』という名前で出ています。小学校の高学年の人は読んだら面白いですよ。子どもだけでなく大人が読んでも、『へー!なるほどね』と感激することがいっぱい書いてあります。ぜひ見つけて読んでください。」

と紹介しました。

後でたくさんのお母さんたちが、「何という名前の人の、なんとういう題名の詩ですか?」と、言葉だけではわからないので、メモ用紙を持ってわざわざ訊きに来られました。なかには、すぐインターネット検索を始めた方もいました。興味を持っていただいてうれしかったです。

「インターネット上でも出ていますよ。探してください」

といったのです。

どころが、あとで自分で調べてみたら、間違った情報でしたので、さっそくお知らせしなければと気が気ではありません。ネット上で一所懸命探しておられる保護者の方には、「ゴメンナサイ」と謝らねばなりません。正確には、インターネットに掲載されていません。私が読んだのは、

<少年少女科学名著全集4「宇宙をつくるものアトム」 編集:板倉聖宜・奥田教久・小原秀雄 国土社>

少年少女科学名著全集4「宇宙をつくるものアトム」

です。写真を撮ってみました。この翻訳はうさんありますが大人用ですし、全部読むにはちょっと根気が要りそうです(実は本物も昔読みましたが忘れました)。

ルクレチウスという古代ローマ時代の有名な詩人が「宇宙を作るものアトム」(元はラテン語ですが、英語では直訳して、「The Nature of Things」と訳されています。これをなんと見事な翻訳をしたのは、国分一太郎という人です。それをエッセンスだけ紹介して、平易な言葉で訳して下さったのは、国分一太郎という詩人ですが、板倉グループと共同作業で中身を検討しておられるので、美しい言葉で、しかも内容が正確だという逸品です。それでも結構長いです。ルクレチウスの時代に、原子が見つかっていたわけではありませんので、原子という言葉を使わずアトムという名前で呼んでいますが、それでも温度の熱や光・音・香・味のことまで、アトムの性質として解釈してみようといのです。あの寺田寅彦がこの詩をしって、その奥深さと現代的なセンスでも全くひけを取らない説明に感激して、感想をまとめています。勘違いしていたのは、寺田寅彦が書いた「ルクレチウスと科学」でした。これは全部寺田寅彦文庫として、これこそインターネット上で見ることができます
これは難しい漢字いっぱい出てきて、昔の人の書いたものは読むのが大変ですが、でもその感激だけは伝わります。

ところで、この「宇宙をつくるものアトム」を調べてみたら、たいていの図書館にはあります。例えば、京都市図書館の蔵書検索システムで調べればすぐに出てきます。借り出すためには登録が必要ですが、すでに登録済みの方はこの検索システムならびに借り出し方法はご存知だと思います。有名な本ですから、探すと出てきます。他府県の方も同じように図書館の検索システムで見つけられると思います。

なお、このことがあって、NPOの事務所にこの本を持ってきました。貴重な本ですが、もしどうしてもゆっくり読みたい方は、当事務所で読めるようにしてもいいなと思っています。親子理科実験教室においでの際に、こういうところで、本を読めるようにするのも面白いな、などと思っています。ちょっと計画を練ってみます。

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