基研主導研究会 2012「原子力・生物学と物理」プレ・コンファレンス
中西基金「原子力・生物学と物理」プレ・コンファレンス ~私たちに何ができるか~
2011年3月11日の東日本大震災、つづく福島原発事故と未曾有の事態にこの1年、科学者として何が出来るか、悩み考えてきた方も多いのではと思います。特に低線量放射線に関する生体への影響については、専門家の間でも極端に評価が分かれ、この一年、混乱の大きな要因となりました。そこで、NPO法人あいんしゅたいんでは、8月8日から開催される「基研主導研究会 2012ー原子力・生物学と物理」に先立ち、プレコンという形で皆様の声を集め、車座方式で議論を深め、皆で考える機会と場を作ろうということになりました。
この会は、科学者の率直な意見交換の中から、3・11 以後の科学の在り方を考え、これからの長い年月にわたる展望をもつために、お互いの経験を語り合う会にしようと考えます。ぜひご参加ください。
<開催趣旨>
「基研主導研究会 2012ー原子力・生物学と物理」の準備が進んでいます。この研究会では、原子力/放射線/生体への影響/放射線教育に的を絞って、専門領域の壁を超えた様々な視点から、学問の内容に立ち入っての議論がなされる予定です。現在概要が決まりつつありますが、立場の異なる科学技術者たちが同じ対象を俎上に載せて議論を深め、認識を新たにすることができるのではないかとう期待が高まってきています。基研主導研究会では、立場の違いやバリューとは独立に、できるだけサイエンスを軸に議論が進められるでしょう。
一方、今回の原発事故に遭われた福島の方々に、科学者としてどのような事が出来るのか、ということをこの1年、悩み考えてきた方も多いのではと思います。特に低線量放射線に関する生体への影響については専門家の間でも極端に評価が分かれ、今回混乱の大きな要因となりました。残念なことに、基研主導研究会の場では問題点の整理や掘り下げをする余裕はないと思われます。このような状況もあり、この研究会に先立ち、福島の事故の社会的影響を明らかにし、科学との関わりについて、忌憚のない意見交換と議論をし、科学者の役割について考えたいとの声も多く寄せられています。
あいんしゅたいんの研究会の中で、佐藤文隆氏は、「福島第1原発事故以後1年を経て、大変なことになるのではないか、これからが大変だ」といわれました。その意味は、科学者に対する夢がもてなくなったという風潮が漂い出しているということです。福島事故後2か月の間に、専門家も行政も信用されなくなってしまった結果をもたらしたものは何だったのでしょう。本来、真実を明らかにし、真実を語るべきであった科学者のイメージが大きく揺らいでしまったのです。
科学者に何が足りなかったのでしょうか、何が間違っていたのでしょうか。真実を追求するという科学の本来の使命が変わったわけではありません。科学者への信頼を取り戻し、科学者が社会に対し果たすべき役割を今一度熟考し明らかにすることが、本当に必要ではないでしょうか。
このコンファレンスは、当法人の活動に賛同いただいた故中西健一氏(※)のご家族からいただいたご寄付の資金を使って行うことにいたしました。あいんしゅたいんが、この1年、さまざまな思いをこめて東日本大震災に関連した情報発信を行い、また、深く検討をするための低線量放射線研究会(LDM)を通じて、沢山の方々と築いてきたネットワークを基盤に、これから「何をなすべきか」を真剣に考えてこられた皆様との意見交換の場にしたいと考えています。
この思いが、翌日からの純学問的、技術的問題を議論するバックグランドとなって、より実りのある研究会となる礎になればと願っています。
※ 故中西健一氏の軌跡と思い出:「ある若手科学者の軌跡・・中西健一さんのこと(ブログ その37)」
日 時 : |
2012年8月7日(火) 13:00~18:00 |
場 所 : |
京都大学ベンチャービジネスラボラトリー(VBL) |
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注: |
今年度よりVBL事業は終了しており、建物の名称もVBLから変更されるようですが、現時点ではまだ案内地図も含めてこの名称が使用されているため、旧名称を使用しています。 |
定 員 : |
先着40名 |
参 加 費 : |
無料 |
申 込 : |
定員に達しましたので、申込受付は終了しました |
問い合わせ : |
E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。">secretariat@jein.jp TEL:075-753-7471(10時~16時) |
主 催 : |
NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん |
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注: |
本研究会は、2012年8月8日(水)~ 10日(金)にかけて開催される京都大学基礎物理学研究所主催「基研主導研究会 2012ー原子力・生物学と物理」のプレ・コンファレンスとして実施するものですが、NPO法人あいんしゅたいんが主催します。 |
世 話 人 : |
坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん 理事長)・宇野賀津子(NPO法人あいんしゅたいん 常務理事)・艸場よしみ(編集者) |
アドバイザー: |
佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん 名誉会長) |
備 考 : |
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プログラム記載の時間配分は、当日の議論の様子で変更することがあります。 |
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京都大学ベンチャービジネスラボラトリー(VBL)は、通常入口玄関が閉まっております。当日開催前には担当者が玄関に立ってドアの開閉を行いますので、遅刻しないようお越しください。場所が分からない、あるいは玄関が閉まっている場合、担当の伊庭氏(075‐753-7572)へご連絡ください。 |
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当日、休憩時にJA白河から取り寄せた果物を用意いたします(実費1人500円)。 |
<プログラム>
13:00~13:10 |
「はじめに」 坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長) |
13:10~14:30 |
福島の現状を知る 司会:宇野賀津子 (NPO法人あいんしゅたいん常務理事) |
「福島支援プロジェクトに参加して」(15分) 宇野賀津子 「原発事故福島の農業への影響、そして再生への道」(20分) 薄井惣吉(JA白河) 「原発事故、福島からの避難・その後」(20分) 伊藤早苗 「追加発言 福島の現状と問題点」(10分) 片寄久巳 |
14:30~15:20 |
そのとき科学者はどう動いたか 司会:真鍋雄一郎 (大阪大学大学院 工学研究科 助教) |
「福島医科大学での医療活動と放射線量実測」(15分) 本間美和子(福島県立医科大学) 「低線量放射線検討会立ち上げ」(15分) 宇野賀津子&坂東昌子 |
15:20~16:00 |
休憩 |
リラクゼーション(ハンドマッサージ) 指導:谷都美子(ナリス化粧品) |
16:00~17:00 |
科学者の社会的責任 司会:一瀬昌嗣 (神戸市立工業高等専門学校准教授) |
「多機関連携による福島放射線マップの作成」(20分) 下浦亨(東京大学大学院理学研究科教授) 「湯川先生の苦悩」(20分) 坂東昌子 「科学者への信頼感」(20分) 佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長) |
17:00~18:00 |
総合討論 司会:艸場よしみ(編集者) |
「そして、これから」 |